第48話

「ゾーイさん、朝ですよぉ。まだ眠いですかぁ?」

「まだ、ちょっと眠いかもです」

「うふふ、ならまだ寝てても良いですよぉ。私ももう少し寝てしまいましょう。ゾーイさんを抱きしめながら寝ると物凄い安心してぇ、気持ち良いんですよぉ。だから抱きしめて寝ても良いですかぁ?」

「は、はい。良いですよ」


 バックハグをされて、ものすごい色気のある吐息交じりの声にドキドキする。


 それに朝だから、男特有の現象が起きてしまっていて少々不味いことに成っている。もしこれが見つかりでもしたら……


「あらぁ?ゾーイさん、イライラしちゃったんですかぁ?わたしで良かったらいやしてさしあげますよぉ」


 と耳元でアソコを弄られながらそんなことを言われるに違いない。そして、そのままあの物凄くエッチな体で奉仕されてしまい、流されるままに僕の初めてが散ってしまうところまで想像することが出来た。


 正直、この女王様に初めてを捧げても良いかなって思えてしまうほど魅力的な女性だけれど、これまでの出会ってきた人たちに対して自分のしたいことも成し遂げられていないのに、この出捧げてしまうのは不誠実だとも思うので必死でアソコの盛り上がりを隠し、ドキドキしながら寝たふりをする。


 すると数分後には後ろからはすーすーという寝息が聞こえてきたので、抱き締められていた腕を起こさないように解きながら、後ろを見てみると、先ほどのエッチな雰囲気は鳴りを潜めた美人なお顔で女王様は寝ていらっしゃった。


 寝顔まで美人とか本当にこの世界は度を越えた美人しかいない。


 寝顔とかに悪戯したらどうなるんだろうという興味がムクムクと鎌首をもたげてくる。


 ……………ダメダメ。絶対に頬をムニムニとか手をギュって握ったりしちゃいけない。そんなことをしたらどうなる事か。


 今までの経験上、この後良くないことが起こるっていうことはなんとなく分かっている。

……………でも、スヤスヤ寝ているしバレなければ何をしても良いってどこかの先生も言っていたような。


 ……やっちゃえよ……なんて悪魔が僕に囁いてくる。


 ……やっちゃダメ……と天使は悲痛に叫ぶ。


……だって、起きてないぜ?少しくらいムニムニしたっていいじゃないか。少しくらい手を触っても良いじゃないか


 ……確かに眠っているけれど。


 若干悪魔が天使を押し始めた。


 ……いいだろ、しちゃえよ。どうせ寝てるぞ。


 …………寝ているのなら良いですけれど。知りませんからね。


 そして、悪魔の方へと完全に舵がきられることに成ったため恐る恐るそぉーっと、女王様の頬をムニムニと触ってみる。


 何歳なのかは分からないけれど、物凄く張りと艶がある頬だ。


 手を触ってみると柔らかい華奢な、とてもこの国を支えているとは思えない程の綺麗な細い手だった。


 何時目を覚ますかというドキドキを感じながらそんなことをしたけれど、女王様は結局起きることなく僕も眠りにつくことにした。


 




 女王に背中を向けて眠りについてしまったゾーイはめをぱっちりと開けて、恍惚とした表情をして涎を垂らしまくっている女王に終ぞ気づくことは無かった。


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