第22話

「うぅ..................ゾーイ様に情けない、あられもないところを見られてしまいました」

「それはごめん」


 正気に戻ったニケちゃんは顔を真っ赤にして蹲ってしまった。


「あんなに敏感なところを執拗にえ、エッチく触られて私..................」

「ほんとうにごめん」


 どうやらお耳はかなり敏感なところみたいで触られると性的快楽が来るみたいだ。そんなところを僕があんなに精一杯弄ってしまったため、とんでもない程の快楽が体中を駆け巡って、達して仕舞ったみたいだ。


 つまり、僕のせいって訳だ。


「べ、別にゾーイ様になら触って頂いても結構なんですけれど、こういう場所ではあんまり触らないでくれると嬉しいです。恥ずかしいですから。ふ、二人っきりなら幾らでも触ってくれていいんですけれど」

「幾らでも触っていいの?」

「は、はい」

「ハグは?」

「それは、私からお願いしたいくらいです。わ、私はゾーイ様のハグに夢中です。とても気持ちよくって。まるで極上のマッサージを受けている気分でした」


 ニケちゃんのお耳の触り心地はかなり良くて、何時まででも撫でたくなるくらいだったからお耳触るのを禁止されなくてよかった。


 それにハグも嫌がられてないみたいだし、やりすぎちゃったけれど結果的には良かったのかな?


「まぁ、色々あったけれど僕たちも午後のペア練習頑張ろっか」

「はい!!」


 



「凄いです。何だかゾーイ様にハグされて癒されてから体の調子が凄く良くて、魔法もほかのEクラスの子達と同じくらいの威力で出せて」

「凄いね、ニケちゃん」

 

 午後の練習を開始してから、ニケちゃんに変化があった。


 弱かった火属性魔法の威力が、通常くらいの威力を出せるようになっていた。


 これはおそらく僕のハグのおかげではなくて、ニケちゃんがあの子達に言い返すことが出来たことで、自信がついたからだと思う。


 真相はよくわからないけれど。

 

「ゾーイ様、本当に今日はありがとうございます」

「どういたしまして、と言っても僕は何もやってないけれど」

「いえ、ゾーイ様は練習でも、あの件でも私を助けてくれました。ゾーイ様が私のペアで本当に良かったと思います。ありがとうございます」

「僕もニケちゃんがペアで良かったって思うよ。だけれど、まだ大会まであるから明日も頑張っていこうね」

「はい」


 笑顔で返事を返してくれるニケちゃんの笑顔が凄く可愛い。


 ニケちゃんみたいな娘がいたら、僕は多分子離れできないんだろうなって思う。


「それでなんだけれど..................」

「はい」

「お耳触らせてくれない?」

「だ、ダメです。私いま、汗臭いから。ゾーイ様に不快な思いさせたくないんです」

「.........私なら幾らでも触らせてあげますが?」

「うわっ!?」


 急に横からにゅっと現れてきたのはアリスだった。


 ペア練習を早々に終わらせて、僕たちの方へと来たみたいだがどうやら少しお怒りのようである。


「ゾーイ様、どうぞ私のお耳を触ってください。ほら、どうぞ?」

「あ、アリスのもいいなって思うけれどニケちゃんのモフモフとした耳が凄く触り心地が良くて.........」

「っく!!私も猫耳さえあればゾーイ様から求めてくださったということか。どうにかして、猫耳を生やす方法は無いのでしょうか?ドロシー教授に聞けば......」


 アリスはぼそぼそと何やら真剣に考え始めたので放っておいてニケちゃんに向き直る。


「私のお耳、そんなに触りたいんですか?」

「うん」

「わ、分かりました。ですが少しだけですよ?気持ちいですけれどここは外ですから。少し恥ずかしいので」


 ニケちゃんから許可がとれたのでそっと触ると「んっ」と声を上げる。本当にここって敏感なんだな。


 ゆっくりと触ってみたり、耳たぶを押すようにムニムニしてみたり色々反応を確かめつつ触っていく。


 僕が触れる度に嬌声っぽい声を上げるので、何故かエッチなことをしている気分になったけれど、これはただ耳を触ってるだけ。


 それにしても、やっぱりニケちゃんの耳って触り心地良いな。髪も綺麗だしきっと手入欠かさずにしてるんだろうな。


 五分程度触ってから離す。


 もう少し触れて居たかったけれど、それ以上するとニケちゃんが持たなそうだったからストップをかけた。


 それに、アリスがニケちゃんを射殺すような目つきで睨んでいたからね。


 その後、ニケちゃんと別れて、アリスと寮へと戻る時間、どうにかして自分に耳が生えないかを研究していたが、それはまた別の話。

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