メイクアップ~ある日突然、化粧品が擬人化したら

@takahashi_01

第1話 プロローグ

会社員の佐山葉月は、毎日疲れていた。

なぜなら、仕事をして、残業をして、帰ったら寝るだけの生活を送っているからだ。

葉月「毎日、疲れるなあ~。でも、化粧を落とさないと。でも、眠いなぁ~」

葉月は、眠ってしまいそうになる

どこからか、声がする

ファンデーション「この女、化粧落とさないで寝るつもりじゃないだろうな」

マスカラ「まぁまぁ、お疲れのようですし」

アイシャドウ「でも、化粧落とさないと、肌荒れしちまうんじゃねえの?」

ファンデーション「そうなんだよ。だから、化粧したら落とすまでが、セットなんだよ」

チーク「でも、すやすや眠ってるねぇ~」

リップ「そんなに、疲れているなら俺が癒してあげるのになぁ~」

ファンデーション「リップ、お前、何言ってるんだよ」

リップ「そんなに怒るなぁって」

ネイル「この人、赤、似合いそう!」

アイシャドウ「ネイルは、いつも不思議なこと言うよな」

マスカラ「みなさん、静かにしましょう。彼女が起きてしまいますよ」

葉月は、寝返りをうった

ファンデーション「疲れているのは、分かるけどよ~。こいつ、起こさねえといけねえし」

リップ「そうだね。深い眠りに入ってしまう前に、起こさないとね」

アイシャドウ「確かに。次の日の朝、起きてとんでもねぇ、顔になっているよりかは夜の内に、化粧落としたほうがいいぜ」

ネイル「この人、ピンクも似合いそう」

アイシャドウ「ネイル。まだ、言ってんのか」

マスカラ「じゃあ、誰が起こすか決めましょう」

チーク「僕が起こすよ」

マスカラ「そうですね。チークなら、優しく起こしてあげられるでしょう」

チークは、葉月の頬っぺたをつついてみる

チーク「ねえねえ、起きてよう」

葉月は、起きようとしない

ファンデーション「そんな、優しく起こしたんじゃ、起きねえんじゃねえの。こうやって起こしたほうがいいと思うぜ」

ファンデーションが起こしてみる

ファンデーション「おい、起きろ」

ファンデーションは、大きな声を出した

マスカラ「ファンデーション。そんな大きな声を出したら」

リップ「あ!」

アイシャドウ「起きたみたいだな」

チーク「ようやく、起きた~」

ネイル「起きた?」

葉月は、目を覚ました

マスカラ「おはようございます。葉月様」

葉月は、一瞬、誰に話しかけられたのか分からなかった

一人暮らしをしているので、自分以外、誰もいるはずないのだから

チーク「おーい。ここだよ」

葉月は、話しかけられた方向を見てみる

葉月「え?」

そこには、知らない男性(男子)達が座っていた

葉月「え?誰?」

マスカラ「私たちは、怪しいものではありません」

葉月「怪しくないって。私、一人暮らしなんですけど。警察呼びますよ」

マスカラ「待ってください。私たちの話しを聞いてください。私たちは、貴方の化粧品が擬人化した姿なんです」

葉月「化粧品が擬人化?そんな、ことあるわけじゃないですか」

ファンデーション「本当のことだぜ。俺らは、お前が普段使っている化粧品が擬人化した姿だ」

マスカラ「信じられないかもしれませんが、そうなんです」

葉月は考える

葉月「(心の声)そんな、化粧品が擬人化するなんて、非化学的なこと、起こるのかなぁ~。でも、この人達が言っていることも嘘だとは思えないし」

葉月は、彼らのことをじっと見つめた

リップ「そんなに、見つめられると照れちゃうなぁ~」

アイシャドウ「リップ、何言ってるんだ?」

葉月「あなた達は、本当に私の化粧品が擬人化した姿なんですね?」

全員「はい。(チーク・マスカラ・リップ・ネイル)おう。(ファンデーション・アイシャドウ)」

マスカラ「自己紹介をさせてください。私は、マスカラが擬人化した姿です」

ファンデーション「俺は、ファンデーションが擬人化した姿だ」

チーク「僕は、チークが擬人化した姿だよ」

アイシャドウ「俺は、アイシャドウが擬人化した姿っす」

リップ「俺は、リップが擬人化した姿かな」

ネイル「僕は、ネイルが擬人化した姿」

こうして、葉月の使っている化粧品は、なぜか擬人化してしまった

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