第105話リッチ




61階層。

ここでも通路での魔物との戦いが無いぞ。

目の前の広い空間・・・ここで激しい戦いになるバトルエリアなのか・・・



入った瞬間から地面が盛り上がり、骨となった手が飛び出してきたぞ。

そこから現れたのは、スケルトンだ。

手には剣と盾が握られている。「カチカチカチ」と笑いやがった。


あっちの地面も盛り上がって、向こうもスケルトンが這い出している。


すでに50体のスケルトンだらけだ。


左手に握った雷ナイフで、手当たりしだいに雷を落とす。

え!死なないのか・・・しかし、動きは止まったままだぞ。

なんと気絶状態だと判明。



ならば暗黒吸刀で斬り捨てる。

動きが止まった奴を全てを斬り倒したぞ。


え!コイツら、骨を再生して立上がったぞ。

だからアンデッドは嫌いだ。



ならば光魔法だ。

え!誰かに邪魔された! 「誰だ!!くそ野郎が!」


探索の発動だ。

なんと空中高くにいやがった。


そこから眺めて笑ってたのか・・・それもリッチだ。

風魔法のフライで浮いてるのだ。


しかも風魔法と召喚魔法が使える厄介な奴だぞ。


「このスケルトンもお前が召喚したのか!」 そして、回復までやってのけたのか・・・


ただ黙って見てるリッチは不気味だ。


スケルトンの攻撃をかわしながら空中のリッチに火球を放つ。

追尾機能付の火球だ。外すはずが無い。

あ!当たる直前にかわしやがった。いまいましいリッチだ。


ならこっちもフライで追い駆けるだけだ。

なんてことだ・・・フライまで邪魔されたぞ。


瞬間移動でどうにかスケルトンから逃げる。

瞬間移動は使えるみたいだ。



左手に握った雷ナイフで、遠くにいるリッチに雷を落としてみる。

あ!雷が命中したぞ。

あれ程、魔法を無効にしたのに・・・空中から真っ逆さまに落ちたぞ。

しぶとい奴だ。気絶状態で地面に倒れたままだ。


「邪魔だスケルトン!」


向かってきたスケルトンを無残斬りで粉々にしてやったぞ。


阿修羅剣技の1つの無残斬りは、斬った相手を粉々に斬る技だ。

これで回復もままならないはずだ。リッチが正気を戻しても時間がかかるだろう。


もう1体のスケルトンも無残斬りで仕留める。



雷ナイフで、全てのスケルトンに雷を落とす。

魔力消費が少ないルーンナイフでも、これは一気に魔力が減ったぞ。

このチャンスは絶対に逃さない。


凄いスピードでリッチの所まで向かう。

気絶状態のリッチを浄化斬りで仕留める。

ドス黒い瘴気しょうきがあふれ出して消滅してゆくぞ。


阿修羅剣技の1つ浄化斬りは、不浄なものを消し去る力があるのだ。

このリッチ、光魔法が弱点だったが魔法解除なるものまで身につけていやがった。

それに斬る瞬間に正気に戻っていた。


斬られる瞬間に死の呪いを唱えだしたのだ。


その死の呪いも鑑定で分かっている。


【死の呪い】


発動後、10秒後に死が訪れる


発動に3秒必要

近距離のみ発動可能


なんていまいましい呪いまで持ってるんだ。



あ!指輪だ。


【魔法解除の指輪】


6割の確立で魔法解除する

クールタイム10秒


なんとむちゃくちゃな機能が備わった指輪だ。

魔法解除もこの指輪が原因だったのか・・・

そしてリッチから出た魔石は、スケルトンを10体召喚できるものだったぞ。

1回こっきりの使い捨てだ。


案の定、消えたスケルトンから魔石は出なかった。

なんて姑息こそくな仕組みだ。




次からは、雷ナイフを使って雷で全てのスケルトンを気絶させる。

そしてリッチを雷で地上に落とす。

高速移動してリッチを浄化斬りで仕留める。


最速の勝ちパターンだ。

笑いが止まらないぜ。


しかし、今回も指輪は出なかった。


61階層は、魔力消費に対して報酬の召喚魔石では、儲けになるのか・・・

いやいや、オークションに出しても1回きりの使い捨てだから、高い値段は望めそうにないぞ。

ああ、なんて残念な61階層なんだ。



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