第86話事件のその後




神須村は、大勢の警察官などが来てめちゃくちゃだ。


吸血鬼から人間に戻った人達から警察官が実況見分してるぞ。

あっちにもこっちにも・・・


俺の近くの白川のじいさんは、首を傾けて・・・


「まったく・・・覚えてませ。わしが人を殴ったなんてあり得ませんよ」


「隊員からも、あなたに殴り飛ばされたと証言も取れているのですよ。この人が殴られた人です。見覚えがありませんか」


カメラの映した顔を見せている。


「わしは家で寝てただけだよ。嘘だと思うならばあさんに聞いてもらってもいい」



ハル「記憶障害でも起きたのでしょうか・・・白川のじいさんが可哀そうです」


「たいした罪にはならないさ。本人が覚えてないから・・・」


ハル「そうであって欲しいですね」



俺は吸血鬼を鑑定して事情を知ってる。

俺だけが知る事実だ。


マリアがいなくなって国々に分かれた吸血鬼グループ。

日本の政治家から知りえた驚愕きょうがくの吸血鬼対策。

もう時間を掛ければ、更に悪い状況になるのは分かり切っている。


特に日本は、俺の存在があって吸血鬼の数が少ない。


もう一か八かの大勝負にでるしか生き残る手段がないと感じたようだ。

そして、各国の吸血鬼に情報を送って決行。

だから村人を吸血鬼にして今回の事件が起きたと考えられる。



佐々木「神須君、あなたの事情聴取はわたしがする事になったの・・・学園まで来てくれる」


いつの間に来たのだ。油断もスキもないぞ。


ハル「わたしは・・・」


「あなたは、彼女がする事になっているわ」


「始めまして、検事の岬です」


「わあ!検事さんって美人な人もいたんだ」


なにをのん気な事を言ってるんだよ。


「ハル、年上に対して失礼だぞ」


え!なぜ検事は俺をにらむ・・・





「心配しないでカメラは作動してないわ」


念の為に調べた。

ドアと定番の大きな鏡があった。鏡の向こうには人は居ないな。

部屋全体を調べたが隠しカメラ2台を発見。作動はしてない。


『ほう・・・これが取調室か・・・あれがマジックミラーか・・・なんて単純な仕組みだ。もっと優れたものを見せてしんぜよう』


なにを急に現れて、勝手な事を言うなよ。


『刑事ドラマに、はまってな』


そうなのだ。アルは勝手にネットに接続して勝手に見て回ってるのだ。

おとなしくしてくれと念じた。


『分かったよ。黙って見てるぞ』


やれやれだよ。



「吸血鬼が話した事でも話せばいいか・・・」


「とりあえず聞かせて」


「吸血鬼は国々のグループに分かれたようだ。そして政治家の谷口議員から特別生態治療機の存在を知って今回の事件を起こした。今回の参加者が日本の吸血鬼の全てで、特別生態治療機の情報も国々に送ったようだぞ」


「吸血鬼は、何もかもあなただけに話たの・・・」


「そうだな・・・マリアを討伐した事を恨んで、ペラペラ話して村人まで巻き込んで恨みを少しでも返したかった・・・かも」


「谷口議員については厳しく調べるわ。あなたの話も隠してる事は多いけど、つじつまを合わせて報告しておくわ。帰っていいわよ」


「もう帰っていいのか」


「仕方ないでしょう。各国の大使がうるさく抗議して大変なのよ。なんど襲われてるんだと・・・重要な場所だから言い返せない。それにルーン文字の生産が遅れると、もっと怒るから政府決定よ」




空に魔法陣が発生した事は、吸血鬼がルーン文字を回収した時に暴走が起きた結果だと報道されてたよ。

村人が撮った魔法陣が流出した結果。つじつまを合わせたようだ。


村人には、またまた迷惑料として多額の金が支払られたようだぞ。


なんで俺には無いだ。

ハルの所にも政府から支払い通知が送られたのに・・・

見せてもらったが1億円だったよ。



空の魔法陣は綺麗きれいだと評判で、あらゆるマスコミが報道。

世界にも広がってしまったぜ。


一部のネットでは、ルーン解析するつわものも現れて、誰が解析できるか競ってる程だ。



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