第2話 白い砂と砂金の砂漠・・水の神への生贄

「大丈夫か、ナギ・ナジュアリ」「うん、ファリ」


デアンカと呼ぶ6本の足のラクダに乗って赤い砂を蹴散らし走り去る。


次には赤い砂漠の場所から抜けて

白い砂と砂金がマーブルのように入り混じる場所へと向かうのだった。

今度は白い砂と砂金の砂の中を駆け抜けてゆく。 


赤い砂の近くにあった黒い泉に追いかけてきた狩人を叩き落とし

水晶の丘では 光の反射に 鏡のように映り込みした姿を利用して

隙をついて、殴り倒したり多く敵から逃れたが・・


「後少しだから、俺の背にしっかり捕まってくれ、俺たちが乗っている

デアンカ(ラクダ)から振り落とされないように」ファリ


生贄にされそうになったナギ・ナジュアリの首には

包帯が巻かれ血が滲んで痛々しい。

炎天下の中で縛られてつられて、首すじ近くを斬られて血を流していたのだった。


傷口から流れる血は足元の壺に貯められて、水の神に捧げられ

次には 血を水、水源に注ぐ 

遺体はその近くに埋められる手はずだったのだ。


消え去った海の代わり、人々の水源だった大きな湖


数百年前、水の欠乏で

南半球は全滅 北半球、全ての人間が滅びかけたが

天空人と呼ばれる宇宙から来た者達が

地下資源、レアメタルなどと引き換えに 科学の力で惑星改造テラ・ホームが始まり

砂漠の中にドーム都市に

空中から水を変換する『水の塔』を複数、贈ってくれたのだが


彼等の星達の星間戦争、宇宙空間の磁気嵐などが原因で

彼等は去り、磁気嵐の大きな影響でドーム都市も破壊され、残ったのは

水の塔、通称エアリスが一つだけ  


水の塔が作り出す、水のみで数世代も生き延びた かなり過酷で多くが死んだが


「いざとなったら、僕を捨てて逃げて」青い顔でナギ・ナジュアリが言う


「大丈夫、心配するな」「・・・・・」


ナギは思う 既に僕の兄ナジュアリも、姉も生贄で殺された。

僕の名はナギ・・兄が死んだから ナジュアリの名前を引き継いだ


だから、僕の名前は墓標代わり 

僕が生贄にされるまでは記憶と墓標は残るから・・


「もうすぐ俺の村だから

ナギ・ナジュアリ 実は数百年ぶりに戻った天空人たちがいる 

一人頼りないように見えるがレーヴというのが・・あ、敵が来たか!」

舌打ちするファリ








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