ゆるキャラいっぱい
進行の人に場所を教えてもらって、お土産屋さんへ。中に入ってみると、真っ先に目についたのがゆるキャラのぬいぐるみだった。とても多い。
「ゆるキャラがいっぱい」
『ぶっちゃけ滋賀のお土産なら一番人気だと思う』
『滋賀と言えばそのキャラだしなあ』
『このキャラで大成功してるよね』
見た目はすごくかわいいからそれも分かると思う。
大きさも色々だ。手のひらサイズもあれば、抱えるほどに大きなものまである。どれにしようかな?
「真美。真美。どれがいい?」
『いやリタちゃん、いきなり聞いてもさすがにそんな返答あるわけが……』
『リタちゃんが選んだものならなんでもいいよ!』
『あるんかい!』
『平日なのに配信を見てる女子高生がいるらしい』
『いつものことだけど勉強しなさい学生』
真美はいつも見てくれてるけど、ちゃんと勉強はしてるはず。成績とかは聞いたことがないから知らないけど。
「そういえば真美の成績、だっけ。知らない。いいの?」
『どうして配信で聞いちゃうかなあ!?』
『草』
『これは公開処刑w』
『で? どうなん?』
いや、別にそこまで聞きたいわけじゃない。ただちょっと聞きたくなっただけ。迷惑になっていたら申し訳ないから。
そう言うと、一瞬だけコメントが途切れた。
『やっぱりリタちゃんいい子』
『成績は学年順位一桁だよ』
『ふぁ!?』
『なんかさらっととんでもないこと言ってるぞこの子!』
『ま、まあ離島の学校だし(震え声)』
『あそこ開発中だから生徒数はそれなりにいたはず』
成績、結構いいってことだね。それなら安心だ。
それはともかく、ぬいぐるみだ。どれでもいいって言ってくれたけど……。やっぱりあまり邪魔にならない方がいいと思う。真美とちいちゃん、二つ買ってあげたいし……。
簡単に抱けるサイズにしておこう。これが三つと……。あとは精霊様に大きいサイズを一つ。これでよし。
あとは……このお菓子も。肉球饅頭だって。真美たちと一緒に食べよう。あとは精霊様にも一つ。
これぐらい、かな?
それらを側に浮かせてお会計へ。お店にいる人がその浮いてるもの、主にぷかぷか浮かぶぬいぐるみを見てるけど、やっぱり珍しいのかも。
カウンターにそれらを持っていくと、店員さんが口をあんぐりと開けて固まっていた。
「わあ……」
「お会計」
「あ、はい!」
『わあwww』
『わかる、わかるぞ店員さん……!』
『いきなりだと驚くよね!』
それはちょっと申し訳ないと思うけど、でもどうしようもないと思う。
お会計をしてもらって、お土産をアイテムボックスへ。それじゃあ、次へ……。
「あの……」
「ん?」
「写真、いいですか」
「ん」
例のごとくみんなで写真を撮って、移動することになった。みんな好きだね、写真。
『写真が好きというか、リタちゃんと会えた自慢というか』
『これぐらいしか形に残らないだろうからな!』
『そういうものです』
「ふうん……」
『興味なさそうw』
まあ、あまり興味はないかな。写真ぐらいなら別にいいし。
お土産屋さんにいた人たちに手を振って、とりあえずその場から転移。移動先は、彦根城の上空だ。あの場で次の場所を決めたら、また人が集まってきそうだから。
「他にオススメの場所はある?」
『観光地でなら、水郷めぐりとか』
『かなり大きい噴水もあるからオススメ』
『どうも琵琶湖ニキです。水郷めぐりに是非来てほしい』
『でたわね』
『いつ来るかと思ったぞ琵琶湖ニキ!』
噴水と、水郷めぐり。他も候補をたくさん出してくれたけど、その二つに行ってみよう。とりあえずは水郷めぐりから、かな? ずっと琵琶湖言ってた人も言ってくれてるし。
「水郷めぐりはどこに行けばいいの?」
『彦根城からなら南西ぐらい?』
『ちょっと説明難しい』
『そこにスマホがあるじゃろ?』
「ん……。それもそうだね」
スマホを取り出して、調べてみる。えっと……。水郷めぐり……。
『まだまだたどたどしいなあ』
『見ていて微笑ましい』
『そのままのリタちゃんでいて』
さすがに意味が分からない。
調べてみると、遠いわけじゃないけど近いとも言いにくい、そんな場所だった。とりあえず転移で移動、と。
「到着」
『さらっと転移したw』
『いくつか種類あるけどどれにするん?』
『ていうか琵琶湖ニキはどこにいるんだよ』
そうだよね。ずっと言ってくれてた人だし、その人のオススメで行こうかなと思ってたんだけど……。さすがにここから探すのは難しい、かな? 都会っていうわけじゃないけど、水郷巡りのそれぞれの距離が結構離れてるから……。
仕方ないから近くのやつの行こう、と思ったんだけど。
『リタちゃん発見。手を振ってみる。琵琶湖ニキはここだよー!』
『謎のパワーワード』
『手を振ってるのか……? 遠すぎてわからん』
んー……。ああ、いた。川の側に少し大きい二階建ての建物があって、その駐車場で手を振ってる人がいる。その人の側に下りてみよう。
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