第34話 図面ケースよりバットケース背負う逸材 

 美術準備室に鍵をかけていた山鹿麻矢が皆川慶彦ヨシヒコの視界に入った。麻矢の視界にも先生2人より遥かにデカい、ちょっと髪の伸びた慶彦エースの顔が見えた。

「あっらあ、エースの皆川サーン、こんな所へどうして?」

「山鹿ちゃん、久しぶり!」

 ようやく慶彦ヨシヒコの顔がほころんだ。

「えっ、何で? 知ってるの2人は」平松が不思議そうだ。

 美術教師の平松は3年の授業を受け持つので特進クラス皆川慶彦エースは知っているし、森主将キャプテンが面白い絵で笑わせて~なんで野球部が特進クラスにいるの?と印象深かった。

「山鹿ちゃんは野球がとてもうまいんスよ」と説明する慶彦エース

「野球好きは知ってるけど、そんなに?」

「今でこそ筒型図面用ケースを肩から背負しょってるスけど、桃園中央ウチじゃなかったらバットケース背負しょってる逸材スよ」


「お待たせーっ、ヨシヒコー」とハイテンションな有紗と

「皆川サーン、麻衣ちゃんですよお、元気だったあ、勉強ばっかしてんでしょ」麻衣子はいつもの調子だが、由香里は

「皆川さん、ど、どうも、お久しぶりで、す」と早速ドキドキモード。

「大歓迎されて~、さっすがモテモテの皆川サン《エース》!」と茶化す麻矢。

「…麻矢マヤちゃんだって~、昼休みに3年4組の女子がウロウロしてるしー」

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