厚化粧

宮本希

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年の暮。

友人との他愛もない会話が、眠気すら喰ってしまいそうな夜。結局、僕らは布団にくるまっても寝られるはずがなく、そのまま日の出を見にいくことにした。つま先には感覚がなく、見た目に気を使い出したばかりの僕は、刺すような寒さを飲み込んだ格好でペダルを漕いだ。

日が昇った。綺麗だと思った。



綺麗だとしか思えなかった。

綺麗だとしか思えなくなっていた。

あの日僕は諦めようとした



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