0124 「初心者の心得」と「一般規約」
俺たちはそこで茶を飲んで寛ぎながら、まずは「初心者の心得」を読んでみた。
それにはなるほど初心者のための事が色々と書かれていた。
しかも、表紙には「初心者必読!」と大きく書かれている。
曰く、
出かける時には十分な用意をする事、
回復薬、毒消しは必ず用意する事、
魔物が出る場所に一人ではうろつかない事、
盗賊には注意する事、
義務ミッションは必ず守る事、
迷宮にはレベル15を越えない前は行かない事、
照明魔法を使えない者は、迷宮に行く時はカンテラを持っていく事、
危険は避ける事、
相手が低レベルの魔物だからと言ってあなどらない事、
低レベルの魔物でも、集団になったら別物だと思って対処する事、
自分の力量にあった事をする事、
自分よりレベルの高い魔物と戦わない事、
一般規約をよくよく読んで守る事、
などだ。
なるほど、これは全て基本中の基本的な事ばかりだ。
あまりにも基本的過ぎて、初心者の心得というよりも、子供の遠足の注意書きに思えるほどだ。
それに何だか似たような事を繰り返して書いてあるようにも見えるが、それだけ初心者にはくどく書いておかないと、危ないのかも知れない。
一通り、初心者の心得を読み終わると、次に一般規約に目を通してみた。
一般規約には様々な項目が書かれている。
主に等級内容と、組合員の心得と、規約違反の罰則の事だ。
等級に関しては一般等級はエレノアが説明した通り、一級から十級まで分かれている。
それぞれ等級を表す登録証があって図入りで説明されている。
一級が青銅製の板で、上半分の中央部分に
アレクシアさんが身につけていたのがこれだな?
中々格好いい。
二級は同じく青銅製の板で、上半分に埋まっている玉は
三級も青銅製の板で、埋まっている玉は
四級も青銅製の板で埋まっている物は
ここまでが中級者だ。
五級は白い陶器製で、上半分の部分に黒丸が∴のように三つ描かれている。
六級は同じく白い陶器製で黒丸が●●と二つ描かれている、
七級も白い陶器製で●が一つだ。
そしてこれより下は見習い扱いの仮登録だ。
八級の登録証は2回り大きな木の板で、上半分に黒丸が●●で二つ、
九級は木の板に●が一つ、
十級は同じ木の板で、上半分に○が一つ描かれている。
一級から四級までは
登録証の大きさは一級から七級までは、名刺やクレジットカードの4分の1位の大きさで、八級以下は、名刺の半分位の大きさだ。
そして全ての登録証の裏には、名前と登録番号、有効期限が刻まれている。
登録証“だけ”が見つかった場合の措置という訳だ。
また下半分は職種が分かるようになっていて、それぞれ「
また赤と青、青と白、赤と白は希望すれば、2本つける事も可能らしい。
赤と青の2本がついている場合は「
しかし先ほどのエレノアの話によれば、大抵は緑か黄色で事足りるので、わざわざ赤と青の両方をつける者は、よほどの自信過剰な者しかいないそうだ。
青と白の2本の場合は魔法使いではあるが、治療魔法が主体な者がつけるそうだ。
赤と白は戦士や剣士で治療魔法が使える者がつけるようだ。
これらは全て仲間を探す時の目安になるらしい。
またそれとは別に紫色の
紛失に関する登録証の扱いは要注意で、五級以下の場合は、紛失した場合は理由を問わず、再発行はされず、新規登録からやり直しだそうだ。
四級以上は再発行はされるが、こちらは等級に応じた法外な再発行料金を取られるそうなので、紛失には気をつけるようにと書いてある。
再発行料金は四級でも金貨5枚は取られるらしい。
これは中々厳しい。
組合員の心得は色々とあるようだ。
人々の模範となる行動をする事、
人が魔物に襲われていたら助ける事、
法を守り、マナーやモラルにもとる行動を取らない事、
組合員同士、年齢・種族・性別に限らず、差別的な行為や言動はしない事、
そして自分より等級が上の者には、必ず敬意を払って接する事などだ。
規則違反は、登録者同士の諍い、虚偽申告、虚偽放言、一般人への暴行、義務ミッション拒否、年間登録料未払い、その他犯罪行為への加担など、いくつかあるようだ。
それぞれ罰則があり、重い順から除名、降級、強制活動、活動停止、罰金、訓告などがある。
強制活動というのは、要するにボランティア活動のようなものらしい。
他の場所から来た登録者には、組合が経営している組合員専用の宿舎もある。
格安で提供しているので、普通の宿に泊まるよりかなり安いようだ。
もっとも希望者が多いので、空き待ちになる事も多いようだ。
「なるほどね」
俺は一般規約を読んで色々と納得した。
一般規約を読みながら、しばらく特別応接室で時間を潰していると、再びグレゴールさんがやって来た。
「お待たせいたしました。
こちらが登録証になります」
待ってました!
いよいよアースフィア広域総合組合員として正式に登録か!
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