0115 ラブラブイチャイチャ生活

 一晩中ミルキィといちゃついていた俺は、翌日の昼ごろに起きた。

横ではミルキィがまだ眠っている。

うん、ミルキィは寝顔も可愛いね。

しかしこのペロリストめ!

昨夜はこの娘になめられただけで、何回気を失いかけた事か。

こんな経験は俺も初めてだわ!

まあ、そもそも女の子に全身を舐められたのなんて、初めての事だが・・・

全く何と言うテクニシャンペロリストか!

伊達に犬っぽくはないわ!

いや、狼か?

そんな事を考えて俺がミルキィの顔を覗きこんでいると、気配に気づいたのか、ミルキィも目が覚めたようだ。


「おはよう、ミルキィ・・・と言っても、もう昼みたいだけどね?」

「は、はい、おはようございます!」

「昨夜はどうだった?」

「はい、とても素敵でした。

 とても気持ちが良くて・・・こんな楽しい夜は初めてでした。

ありがとうございます!」

「そ、そう?」


そこまで感謝されるもんでもないと思うが、イヤでなかったのならばありがたい。

しかしそんなに人を舐めるのが好きなのか?


「御主人様こそどうでしたか?

 なにぶん何もかも初めてなので、私、何か至らない部分があったのではないでしょうか?」


本当にアレで初めてだったんかい!

この娘は昨夜は一晩中、俺の全身を舐めまくりだ!

まあ、俺も気持ちよかったからいいけどね。


「いや、そんな事ないよ?

僕も十分・・・と言うか、思う存分楽しめたよ?

ミルキィのおかげさ」

「そうですか?

ありがとうございます」


ミルキィは俺に礼を言ってくるが、きっと俺の方がその十倍も楽しかったと思う。

当然の事ながら、そんなに感謝される事などではない。

むしろ、正直少々後ろめたい感じもあったのだが、そこまで嬉しがってくれると、俺の罪悪感もなくなるので助かる。


ふと、部屋のテーブルの上を見ると、いつの間にか何やら料理が用意してある。

どうやらエレノアが昨夜の言葉通り、食事を用意しておいてくれたらしい。

俺もミルキィと激しく一晩中運動をしたので腹ペコだ。

大きな皿にサンドイッチが沢山盛ってあって、乾燥しないように、ガラス製のクロッシュで伏せられている。

その横にはオレンジジュースが置いてある。


「ミルキィ、お腹空いてない?」

「え?はい、その・・・空いています」

「あはは、じゃあ、一緒に食べようか?」

「はい」


俺とミルキィは用意されたサンドイッチを食べて、オレンジジュースを飲む。


「ああ、おいしかった、ミルキィも大丈夫?

そういえば嫌いな食べ物とかないの?」

「正直それほど、色々な物を食べた事がないので、わかりません」

「うん、もし食べられない物があったら、遠慮なく言ってね?」

「はい、ありがとうございます」

「他にも何かして欲しいことや、提案があれば何でも言ってね?

奴隷だからって、遠慮する事はないから」

「そう・・・なのですか?」


そう言いながらミルキィは何かそわそわとしている。

早くも何か言いたい事があるのだろうか?


「うん、そうだよ、何?何か今して欲しい事があるの?」

「・・・はい」

「うん、何?言ってみてよ?」

「よろしいのですか?」

「うん、構わないよ?」


俺がそう言うとミルキィは伏し目がちになって、少々恥ずかしそうに俺に話す。


「それでは・・・あの、御主人様・・・今から昨夜の続きをしてもよろしいですか?」


何ですと!

そんなにアレが気に入っちゃったんですか?

全くあんなに人を舐めまくっておいて、それが起き抜けに、またいたしたいなんて・・・そんな事!

はい、私としては大歓迎です!

色々と驚きながらも俺は承諾する。


「え?うん、別にいいけれど?」

「ありがとうございます!」


そう言うと、いきなりミルキィは俺に抱きついてきた。

俺はそのままベッドの上に倒される。


「おわっ!」

「あ、申し訳ございません。

我慢していた所で、御主人様の許可が出たものですからつい・・・」

「あはは、そうなんだ?じゃあ、早速このまま続きをね?」

「はい」


こうして俺とミルキィは、起きてすぐにまたもやベッドの上の人となった。


ミルキィは俺をベッドに押し倒すと、まずは昨夜同様にペロペロと全身をなめ始める。

頬と言わず、腕と言わず、胸でも、肩でも、とにかく全身だ!

ぬう~この国際A級ペロリストめ!

今日はこちらも負けてはないぞ!

昨夜は不意打ちで不覚を取ったが、今度はそうはさせぬ!

俺も負けじとミルキィの全身を舐めまくりだっ!

こうなったら勝負だっ!



・・・・・・・・・・orz



・・・負けた。

あっさりと舐め負けた・・・

しょせん狼少女に舐め勝負を挑んだ俺が愚かだったか?

ミルキィは未だにペロペロと俺の全身を舐めまくっている。

そんなに舐めるのが好きか?

まあ、俺も気持ちよいから構わないが?

この国際S級ペロリストめ!


しかし愛い奴め・・・

俺はミルキィに全身を舐めまくられながら体が気持ちよくなってくる。

そしていつのまにかまた眠っていた。


次の日、俺たちが起きたのはまたもや昼過ぎだった。

テーブルを見ると、またもや食事が用意してある。

今日はオートミールのようだ。

俺はミルキィの頬にキスをすると話しかける。


「ミルキィ、おはよう」

「あん、シノブ君、おはよう・・・」

「起きて食事をするかい?」

「ええ、そうするわ」


俺とミルキィは起きて椅子に座ると、ミルキィがスプーンでオートミールを掬うと、俺の口元に持ってくる。


「はい、あ~んして、シノブ君」

「あ~ん」


俺が口を開けると、ミルキィがオートミールを口に入れる。


「はい、今度はミルキィの番だよ?」

「はい」


ミルキィが口を開けて俺がオートミールを食べさせる。


・・・そう!

俺とミルキィはこの二日間で完全に出来上がっていた!

昨夜には完全にイチャコラカップルとなり、ミルキィたん、シノブ君の仲にまで発展して、しゅきしゅき大しゅき状態までになっていたのだ!

ぬう・・・これが噂には聞いていたイチャコラカップル状態か!

俺とミルキィは食事をし終わって、お互いにトロンとした目で見つめあう。


あはは・・・うふふ・・・

いや~ん、シノブ君ってば・・・

なんだよう、ミルキィ・・・

そんなとこさわっちゃだめぇ・・・

あはは・・・いいじゃないか?

ああん、シノブ君のバカァ~


うわ~甘々イチャコラって、こういう感じだったんだ・・・

話には聞いていたけど、まさか自分が体験できるとは思わなかったよ。

俺には永久に縁のない事だと思っていたからね?

今の俺って、前世の俺が見たら、絶対に「爆ぜろ!氏ね!」って、言うの間違いないなぁ・・・

バカップルとはよく言ったもんだなあ・・・

ああ、でもミルキィが可愛すぎてバカップル度が止まらないよ!

どんどん時間が経つほど、俺のバカ度が増していく気がする。

もう、ダメだ・・・俺の精神がイチャコラで崩壊しそうだ・・・

俺のSAN値はピンチだ!

きっともう、俺のSAN値はゼロで、正常な精神を保っていられないよ!

しかし、お姉様なエレノアはもちろんいいけど、年上の恋人っぽいミルキィも凄くいいなあ・・・

それにエレノアは演技かもしれないけど、ミルキィは間違いなく素でやっているはずだし・・・

これ、絶対に演技じゃないよね?

ね?

そうだよね?


 ・・・結局、俺はミルキィの体に10日間も溺れてしまっていた。

あ、いや?ミルキィが俺の事を離さなかったからね、仕方がなくだよ?・・・

くっ、俺は誰に言い訳をしているんだ?

いや、いい・・・

ともかくミルキィと二人きりの生活は10日間ほど続いた。


ミルキィも10日間ほど経つと、ようやく満足してきたのか、元の生活に戻るべく、俺に話しかけてきた。

と、言うか、流石にエレノアの手前、まずいと思ったようだ。

もし、エレノアがいなければ、このまま何ヶ月でも、俺と一緒に部屋に篭っていたかも知れない。


「あの、シノブ君・・・いえ、御主人様?」

「なんだい?ミルキィ?」

「その・・・さすがにもうこれ以上は元の生活に戻った方が良いかと・・・」

「え?いいじゃないか?別に何も困る事はないんだし?」

「え、でも、エレノアさんが・・・」

「え~い!うるさい事を言う口はこうしてやる!」


そう言って俺はミルキィの口を塞ぐ。


「ああん・・・ダメェ・・・シノブ君・・・」


こうして結局ミルキィも流される。

翌日になっても何の進歩もなく、全く同じ事を繰り返す。

俺たちは典型的なダメカップルのように、さらに数日、イチャコラとしていた。

しかし流石に2週間を過ぎた頃になると、俺の脳裏にもエレノアの顔がチラついて、怖くなってきた。

毎日、知らない間にきっちりと食事が差し入れられているのも、ちょっと怖い。

無言でキチンとした料理が毎日用意されている。

それだけで十分怖いって、エレノアさん、存在感半端ないですわ。

いや、浮気じゃないよね?

エレノア公認なんだし、そもそも1週間でも2週間でも、ミルキィと一緒にいて良いって言ったのはエレノアだしね?

そう考えながらも、やはりちょっとエレノアが怖い。

俺もようやくミルキィと一緒に部屋を出る気になって、身支度を考える。


「えっと・・・さすがにそろそろ皆も心配しているかも知れないから部屋を出ようか?」

「そ、そうですね」

「うん、ミルキィとはこれからもいつでも続きを出来るからね」

「はい」


部屋を出たミルキィは、まずはエレノアに、ただひたすら謝っていた。


「あ、あのエレノアさん、申し訳ございません!

2週間も御主人様を独占してしまって!」

「良いのですよ、ミルキィ」

「本当に、本当に申し訳ありませんでした!」

「いや、ミルキィは早く部屋を出ようと言ってたんだけど、僕が引き止めていたんだ。

ミルキィは全然悪くないよ!」

「御二人とも、そんなに心配しなくとも大丈夫ですよ。

私は何も気にしておりません。

御主人様もミルキィも楽しめたのなら、それで良いのですよ?」


俺も必死になって、ミルキィを庇うが、別にエレノアは本当に気にしていないようだ。

いや、確かに別に悪い事をしていた訳じゃないんだけどね?

でも、なんつーか、これ・・・アレだ、まるで学校でこっそり付き合っていたカップルが、女教師に見つかって、お互いを庇って言い訳しているみたいだな。

俺がそんな事を考えていると、エレノアは笑みを絶やさずに俺とミルキィに話しかける。


「御主人様もミルキィも、そんなに心配なさらなくても大丈夫ですよ。

むしろ御主人様とミルキィの仲がこの2週間で良くなったのなら、良い事です。

御二人は相当仲が宜しくなったのでしょう?」


そう言われると、俺とミルキィは顔を見合わせてお互いに赤くなる。


「うん、それはもう・・・」

「はい、私も、もう御主人様とは一生離れたくありません」

「それほどの仲になったのでしたら、良かったではありませんか?」


そのエレノアの言葉に、俺とミルキィはコクンと無言でうなずく。

何か今度は彼女を家に呼んでいたカップルが、姉に見つかって公認されたみたいだ。

あ~それにしても秘書監様が怒ってなくて良かった~、俺も一安心だ。


「ただ、ミルキィ?御主人様と二人の時や、私と三人だけの時はかまいませんが、他の人の前では自重してくださいね?」

「あ、はい、承知いたしました!」


おや?今度は何かちょっと軍隊みたいだ?

そのうちにミルキィは「イエス、マム!」とか言って、エレノアに敬礼しそうだな?

ともあれ、この2週間ですっかりミルキィとの仲もラブラブになって、お互いに身も心も許せる仲になったので、いよいよ3人で迷宮に行く事となった。

う~む、もしやエレノアはここまで読んで、俺とミルキィを放っておいたのだろうか?

だとしたら、やはりエレノアは恐ろしい・・・

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