第4回 『競輪ファミリー』と、『地元優勝の難しさ』

 テレビや新聞では、『二世にせい議員ぎいん』だとか、『二世にせいタレント』なんて言葉を見聞みききする。では、『二世にせい競輪選手』は、聞いたことがあるだろうか?簡単な話だ。親が競輪選手。そして、その子供も競輪選手という話だ。

 その他には、『競輪兄弟』もある。これも単純な話で、兄弟で競輪選手ということだ。


 親子で競輪選手(又は選手だった)というケースで有名なのは、郡司浩平選手と父・盛夫さん(神奈川県)。山口拳矢選手と父・幸二さん(岐阜県)。平原康多選手と父・康廣さん(埼玉県)。吉田拓矢選手と父・哲也さん(茨城県)。渡邉雄太選手と・父の晴智選手(静岡県)。坂本貴史選手と父・勉さん(青森県)。この辺りが有名どころかな?

 特に山口選手、平原選手、吉田選手、渡邉選手、坂本選手は、兄弟や叔父さんなども競輪選手なので、本当に一族そろって『競輪ファミリー』なのだ。


 兄弟で競輪選手ケースだと、有名なのは、脇本雄太選手と弟・勇希(福井県)。そして、先程も登場した吉田拓矢選手と、弟の昌司選手・有希選手(茨城県)。新山響平選手と兄・将史選手(青森県)。そして、忘れてはいけない、先日引退した村上義弘さんと弟の博幸選手(京都府)。

 特に村上義弘さんと、弟の博幸選手は、最強の『競輪兄弟』だった。兄弟で日本選手権競輪ダービーと競輪GPを優勝しているのだ。親子で、兄弟で競輪選手というケースを探せば、もっとたくさんいる。だが、両方とも強いというケースはほとんどない。私の知る限りでは、やはり京都の『村上兄弟』が双方揃って実績を残した強い選手である。


 あと、個人的に印象深いのは郡司浩平選手(神奈川県)。御父上おちちうえの盛夫さんも2018年まで現役選手として走り続けていた。

 以前テレビ(番組名は失念)で、浩平選手のお爺様が登場したことがあった。

 郡司浩平選手は、『Y校』の名で親しまれる横浜市立横浜商業高等学校の野球部出身。番組内では、お爺様はお孫さんである浩平選手の記事(スポーツ紙等)をスクラップブックにまとめていると紹介されていた。ファンだけでなく、こうした家族や兄弟たちに支えられて競輪選手は戦っている。

 郡司浩平選手は、先月の共同通信社杯GⅡ(名古屋競輪場)で優勝。そして、10月4日(火)に行われた久留米競輪場の開設記念競輪GⅢでも優勝し、好調だ。

 彼にとって今年は、『特別な年』である。2020年と同じく、2022年の競輪GPが地元・神奈川県の平塚競輪場で開催される。

 彼のホームバンク(競輪選手の本拠地)は川崎競輪場。昨年は、そのホームバンク・川崎競輪場で開催された全日本選抜競輪GⅠで優勝を果たしている。

 2020年の平塚GPも走っている郡司浩平選手だが、今年はここでの栄冠はなるか?さらに、来年2023年はこの平塚競輪場で日本選手権競輪ダービーも開催される。まさに湘南ダービーだ。


 自分が本拠地ホームバンクとしている競輪場。自分が所属している都道府県の競輪場で特別競輪がある場合、それは栄誉なことであり、そこでの優勝という目標ができる。と、同時に地元選手にとってはプレッシャーも大きい。客の前でみっともないレースはできないのだ。

 しかも、地元の特別競輪で、地元選手が優勝できるというケースは殆どない。

 ここ10年で、実際にそれがあったのは僅か3回のみ。2017年・いわき平競輪場(福島県)で開催のオールスター競輪GⅠ。優勝は渡邉一成選手(福島県)。

 2021年・川崎競輪場(神奈川県)で開催の全日本選抜競輪GⅠ。優勝は郡司浩平選手(神奈川県)。

 そして、今年2022年・岸和田競輪場(大阪府)で開催の高松宮記念杯競輪GⅠ。優勝は古性優作選手(大阪府)。

 このように地元選手が、地元で栄冠を勝ち取るのは非常に難しいのだ。


 2022年も残り3か月。平塚の競輪GPに行くには、今月の寛仁親王牌GⅠか、来月の競輪祭GⅠで優勝する。又は、賞金ランキングで上位9名の中に食い込むしかない。頑張れ、競輪選手!選手の手に栄冠を!客の財布サイフに札束をもたらしてくれ!

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