第11話 図書室で

次の日。


休み時間になったと同時に私は例の子を探し始めた。


まずは、廊下を探した。


ドアのあたりから他の教室の中を順にのぞいていけば、見つかるはずだ、と。


だが、彼女は見つからなかった。


だが、ふとあることを思い出した。


図書室に行ったら会えるのではないか。


前に、図書室で会ったことがあったのだ。


私は図書室に向かってみることにした。

*******                            *******

一方そのころ鈴奈は…


私は、図書室にいた。


そこで暁海と本を読みながらひそひそ声で話していた。


廊下で大声で話す話ではなかったので、静かな図書室で話していたのだ。


「それで…前世の記憶って夢でも見たりするって言うのは本当?」


「えっと…それはね…」


暁海が言いかけたとき、図書室に入ってきた人がいた。


それは、数週間前だっただろうか。


自転車で轢きそうになった子だったのだ。


そしてその子は、私の姿を見つけるなりこちらに向かってきた。


また怒られてしまうのかと思ったのだが、私の目の前に来たその子が言ったことは意外だった。


「あの時は強く言いすぎちゃってごめんね。」








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