第3話 初夏
「本読んでたんだけど、どうしたの?」
私の問いかけに、暁海は答えた。
「来週の月曜日、七夕だよね。だから短冊一緒に書いたりお菓子作りたいなと思って。月曜日空いてる?」
そうか。もうそんな時期だったのか。
私が一年で一番憂鬱な日、それは七夕だ。
別に今まで七夕に何かあったというわけではない。
なのだが、毎年この日はなぜか気分が晴れない。
ならばせめて暁海と遊んでいれば気分も晴れるのではないかと思った私は、
「塾はあるけど、8時からだからいいよ。」
と、答えた。
「じゃあ今度学校前の公園で待ち合わせね!」
と、暁海は教室に駆け足で戻ってしまった。
休み時間の終わりを告げるチャイムが、校舎に響き渡った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます