小さな日々

やまの ゆき

第1話 「素敵なもの」

『私はみんなと家族と同じように接したい。』と顧問の先生は行った。私は素敵だなと思ったけど、その素敵だなは、本とか、漫画とかでよく「素敵なもの」として書かれているからであって、『家族』のどこが美しく、素晴らしいものなのかは全く分からない。だから、先生の言っている言葉が上手く理解出来なかった。そんなの理想でほんとはそんなこと出来るわけがない。まず、家族の良さが分からない。『家族』ってそんなにいいものなのだろうか。一般的には、みんな『家族』のことが好きなのだろうか。『家族』ってなんだろうか。 辛いときに相談をしたり、今日あった、何気ないことを話してくだらないと笑い合ったり、そういうことをして幸せだなって思いあえることが素敵な家族だと私は、思う。あくまで私の考え、理想。みんなの『家族』はどういう『家族』か知らない。普通の『家族』がわからない。でも、私の家族が、そんなきれいなものではない。ということは、わかる。理想を押し付けられて、怒られる、思い通りになると優しくなる。  私は、家族が素敵なものだとは、思わない。だって、本当の『家族』が苦しいから。私達のことを、操り人形だと思っているから。

            私は『家族』を知らない。


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