死にたいと星に願う

青空卵

第1話 星

「もうこの星たちも見れないんだね。」

 サキは少しだけ寂しそうな表情を空に向けたままつぶやく。夜の闇にその声はキンキンと響いたように思ったが、気のせいだろう。

「違う。そうじゃない。僕らはこれからあの星のもとへ行くんだよ。」

 サキはさっとこちらに顔を向けた。

「なに? 泣かせようとしてる?」

 その笑顔がまぶしければよかったのに。僕は彼女と同じように曖昧な微笑を浮かべて、握っていた彼女の手をすこしだけ強く掴んだ。これで僕らは二度と離れることはない。その安心感が僕のうちを満たす。たぶん、自信はないけど、それでいいのだと僕は思った。


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