①あなたの闇堕ちお手伝いします
南川 佐久
第1話 プロット
【タイトル】
①あなたの闇堕ちお手伝いします
【参考タイトル】
・「プリキュア」、「魔法少女まどかマギカ」(魔法少女と闇堕ち関連)
・「デジモン」、「シャーマンキング」などの人外バディもの……を男主人公で
・巻が増えるごとに強力なヒロインが加入していくラブコメ要素は、「デート・ア・ライブ」
・四章以降の悪の組織作戦系は、「コードギアス」。
・実は隠れたヒーロー的な要素は、「ペルソナ5」。
【世界観①~⑤】
①この世界における魔法少女
現代社会をベースに、謎の異星体ハピネス(自称妖精。小さなくま型エイリアン)によりマジカルを授けられた、魔法少女やヒーローが
主人公はその世界における、魔法少女のマスコット(元は男子高校生)。
ある日、相方の魔法少女が『闇堕ち』してしまったことが原因で『悪の組織』に属することになり、自らの正義のために、ヒロインの美少女魔法少女と共に真の悪に立ち向かうこととなる。
魔法少女は、生き物の負の感情から生まれる悲骸という一種の厄災から人々を守る、正義の味方的立ち位置。
ハピネス襲来と同時期に現れた悲骸は、マジカルでしか倒せない。自衛隊も国連も白旗。それゆえ各国は、ハピネスの主導でマジカルを与えられ、その要求に従う形で、魔法少女やヒーローたちを養成する学園を建設した。
以来、
②魔法少女の目的・その真実
魔法少女は、悲骸から得られる負の感情の塊『骸晶石』を集めて学園側――ハピネスに献上することを仕事とし、その見返りに悲骸を倒す力、マジカルを貸与される。
定められた『骸晶石ノルマ』を達成すれば、『なんでもひとつ願いが叶う』と、学園内では噂されていた。
しかしマジカルは、使えば使うほどに術者の生命や記憶を吸収するとんでもない高利貸しだった。悲骸の出現もハピネスによる自作自演。その実態は、侵略と呼んでも差し支えない一方的な搾取だったのだ。
③『悪の組織』の目的
秘められていた事実にいち早く気づいた初代『悪の総帥』は、わかりやすく魔法少女と対立するため悪の組織を立ち上げる。魔法少女らを幾度とない対峙の果てに『闇堕ち』という形でスカウトし、仲間に引き入れるために。マジカルに対抗できるのもまたマジカルのみ。苦肉の策だった。
そうして最終的には、マジカルの貸与(『妖地安全保障条約』)を理由に実権を握り国に対して大きな顔をするハピネスを駆逐するのが目的だ。
地下基地からの出撃と襲撃を繰り返し、『愛はマジカルを強化する』だのと抜かして敵味方関係なくイチャラブコメディしているが、徐々にとはいえ魔法少女たちの生命力が搾取されている現状、いずれハピネスは倒さなければならない。と、一応考えてはいる。
実際のところ生命力うんぬんはともかく、初代総帥や現総帥、闇堕ちした魔法少女らのハピネスに対する個人的な恨みの部分も大きい。(この辺のシリアスとコメディの匙加減は、需要や反響に応じてどちら寄りにするか決めてもいいと考えています)
無論、『闇堕ち魔法少女』はハピネスにとって「マジカルを得たのに骸晶石をおさめない不良債権者のクズ」。不都合な存在だ。闇堕ちしたことがバレれば、妖精国謹製、星間を貫通する高濃度の感情エネルギー射出砲『ラブ・サテライト』によって
そのラブ・サテライトから逃れるために、悪の組織はステルス地下基地に潜んで活動していた。
④主人公は、なぜ人間でなくマスコットになったのか。
主人公は、こっぱずかしい呪文を唱えるとウミガメ型のマスコットに変身することができる。
主人公は元々マジカル学園に在籍していたが、【甲羅】という守りしかできない受け身な
変身後はまるっとした愛らしい亀に変わってしまい、魔法少女に絶対服従を誓わせられる代わりに、主人公はパートナーの魔法少女という攻撃手段、もとい強力な相方を得たのだ。
そうして今日も、仲間と物資を増やすために街中を(人命に危機が及ばない程度に)襲撃し、魔法少女たちに『闇堕ち』を促すべく抗争を繰り広げている。
ちなみに、現役の魔法少女が傍にいれば、巻き添えを防ぐためにラブ・サテライトは撃たれない。それも作戦のうちだ。
⇒上記①~④を内在させた状態で、物語の一話がスタートする。
主人公は、悪の組織の構成員として正義の魔法少女らと対峙する場面から始まる。
上に挙げた細かな設定は、読者に伝わりやすいよう物語の中やキャラクターの台詞から、少しずつ開示していく。
⑤『闇堕ち』とは。
『闇堕ち』は、感情の爆発によりマジカルが暴走することによって起こる。
一度『闇堕ち』すると、破格の力を得る代わりに最悪の場合暴走して手が付けられなくなるので、ハピネスの中では「管理できない奴は殺す」という認識で粛清対象とされてしまう。
魔法少女が感情を暴発させると、初回の『真の闇堕ち』のときの急激な感情エネルギー上昇を感知して、ラブ・サテライトが発射される仕組み。
なので、初撃を躱す、もしくは逃げ切ってしまえばあとは案外感知されにくかったりする。無論、はっぴぃ理事長に見つかった際は邪魔者として粛清される。
「パートナーマスコット契約」を結んだ魔法少女とマスコットは、一方が闇堕ちするともう片方も闇堕ちするという、運命共同体仕様。
悪の組織が正義の魔法少女をスカウトして仲間に引き入れる際に、「寝返ってこちら側につくこと」を便宜上『闇堕ちさせる』と言うこともあるが、あくまで「ハピネスの攻撃対象になった」という立場の変化を示す。
正確には、感情が爆発して能力変化する前者が『真の闇堕ち』。
立場が変わるだけの後者を『闇堕ち』と区別するが、会話の中ではただ『闇堕ち』と使われることが多い。いずれにしても『闇堕ち』はハピネスの敵で、抹殺対象となる。そこが重要。
主人公は気づいていないが、ヒロインは主人公のことが好きで、彼を助けたくて『真の闇堕ち』をした。ラブコメ要素としてこちらも徐々に明らかにしていく予定。作中では、とにかくじれじれにイチャイチャさせる。
〇【主要キャラクター】
◆①
(概要):マジカル学園の元・在校生にして離反者の高校二年生。17歳。男。悪の組織の構成員。
(能力):変身するとウミガメのマスコットになる。武器は【甲羅】。
白雪とのコンビ名は『秋葉原のウサギとカメ』。
鈍足だが守りには自信があり、将来的に覚醒して竜へと進化する。
(外見):赤茶髪の高身長、タフさが売りの細マッチョ。顔は中の中。(ヒロインいわく中の上)。衣装は悪の組織の正装、黒の軍服と軍帽。
(性格):優しくてまっすぐ。努力家でいやみのない性格。当たり前のように自分よりも他者を守れる頼もしさ、妹想いな一面を持つ。
相方である魔法少女の
(台詞):『敵とか味方とか関係ない……俺が全部守る』
『ちょ……白雪、近くない? なんか距離近くない?? 胸が当たって……あぅ』
(補足):ゆくゆくは、ハピネスとの戦闘の最中に亡くなった(もしくは力を失った)総帥の跡を継いで、四代目悪の総帥を名乗ることに。
多くの闇堕ち魔法少女を侍らせ引き連れた、悪のカリスマになる。悪の組織らしからぬ、無自覚人たらし。
◆②
(概要):万世橋のパートナーの【水の魔法少女】。高二。女。
頭脳明晰、才色兼備な学園の優等生だが、魔法少女として実績をあげることに並々ならぬこだわりを持ち、「力が得られるならなんでもいい」と万世橋と契約をした。実績にこだわるのは、ノルマ達成の報酬『なんでも願いが叶う』で病床の姉を救いたいから。
(能力):魔法少女名はスノードロップ。
氷や水を用いた魔法を使う、杖(鈍器)使い。
(外見):普段はベージュのハーフアップ。変身すると薄銀髪にピンクの瞳のウサ耳魔法少女になる。衣装はきわどいバニー服。尻尾もちゃんとついている。
(性格):真面目で寂しがり。クールなしっかり者に振る舞う反面、可愛いものと甘いものが好きな女の子らしいところも。
庇われたり守られたりという、少女漫画的ムーブに弱く、すぐ赤面しがち。
悪の組織に入ってからは、ハイレグレオタード衣装が恥ずかしくて仕方がない。
(台詞):『万世橋……一緒に、寝る?』
『ねぇ、ちょっとでいいの。ぎゅ~ってさせて』
◆③
(概要):病弱な魔法少女のお嬢様を守る、男装の女執事。
闇堕ちをしたために『ラブ・サテライト』に撃たれ、行方不明となったお嬢様を探している。撃たれた現場にたまたま居合わせた万世橋らに声をかけられ、疑いながらも悪の組織に入ることに。
協力と対立を繰り返すうちに、万世橋への恋に堕ちていく。
(能力):白金エリアを中心に活動していた『白金台の百合獅子』。武器は細身剣。変身すると、炎を吐く白銀の獅子になる、【花の魔法少女】のマスコット。
(外見):麗しい長髪を低いポニテで纏めた、男装の麗人。金髪碧眼。手が綺麗。
(性格):頑固で一途。器用な料理上手。お嬢様至上主義で、自分は恋などとは無縁だと考えている。幼い頃、行き場のないところをお嬢様に拾われ忠誠を誓った。
唯一の存在意義だったお嬢様を失い、精神的に不安定になって万世橋に当たり散らすことも。そのあと必ず自己嫌悪に陥る。
胸は普段さらしで締め付けているが、Cくらいの大きさはある。正直邪魔だと思っている。ブラジャーをつけたことがない。
(台詞):『誰がお前ら悪の組織の手など借りるかっ……!』
『えっ。あ……こ、これが私の、闇堕ち衣装……?』
『私は執事だ! メイド服なんて着ない! ぜ、ぜったいに着ないからな!』
◆④
(概要):悪の組織の同僚にして、隣のクラスのモテイケメン。万世橋と白雪によって『闇堕ち』させらせ組織に誘拐される。
幼馴染である魔法少女、菫野紫との恋がとにかくうまくいかない。
(能力):変身するとコウモリのマスコットになる。武器は変幻自在の【影】と大鎌。コンビ名は『新宿のコウモリ』。変幻自在すぎて、大型機銃に変身したりする。
(外見):元カリスマ学生モデルで、銀髪に紫紺の瞳。女のような美形。
正装は、万世橋同様黒の軍服。
(性格):ルックスは最高だが性格は最低。
基本的に相方の魔法少女――幼馴染の
偏差値70越えの天才で運動神経も抜群。基本的になんでもできるが、なんでもでき過ぎるが故に人を見下しがち。
幼馴染の紫のことが好きで、紫が絡むと大抵バカになる。恋愛に関しては、万世橋と同レベルで日々頭を抱えている。
こっそりと紫の動向を監視するストーキング魔法を使っている隠れヤンデレ。本人いわく、「これは見守りフォン」。
(台詞):『あーはっは! バッカじゃないのぉ? 脳みそ死んでんのぉ?』
『お前さぁ、魔法少女とどこまでイッた?』
◆⑤菫野紫(すみれのむらさき)(おっぱい枠)
(概要):泉の幼馴染にしてパートナーの【闇の魔法少女】。高二。女。
基本的にオツムが弱く、頭脳を借りる目的で泉と契約をした。恋愛に関しては作中最強の鈍感娘。
(能力):武器は身の丈ほどある銀の大鎌。早さと鋭さ、攻撃力の高さがウリ。
(外見):とにかくおっぱいがデカい。
変身前はさらさら黒髪だが、変身すると透き通るような藤色の髪になる。瞳は蒼。
(性格):おっとりの天然で食いしん坊だが、変身して闇の魔法少女アイリスガーデンになると薬をキメたようにハイで好戦的になる。感情のタガが外れてしまうのは破格の戦闘力の代償で、闇の魔法少女の特性。
(台詞):『万世橋くん、ありがとね』
『キャハハハハッ! いっくよぉ、みらくる☆はかいこうせん!』
◆⑥ハーメルン(三代目・悪の総帥)
(概要):元マジカル学園の卒業生にしてヒーロー。通り名【笛吹き男のハーメルン】。
長きにわたるマジカルの行使で記憶の一部(パートナーの魔法少女に関する記憶)を失っている。そのため、大切な記憶を奪い、先代総帥を殺したハピネスをぶち殺したいと常々考えている。
(能力):武器は【笛】。【音色】で周囲の物体や人を操る。
(外見):27歳。黒髪長髪、ぬらりと背の高いの美形だが、正体バレを防ぐために顔の右半分を仮面で隠している。
正装は軍服。その正体は、幼い万世橋を事故から救い、ヒーローの道を志すきっかけを与えたヒーロー『ハルモニア』。
(性格):ひょうきんで道化染みた言動が目立ち、万世橋らを総帥命令で男女同棲させたりと、青少年たちの感情をおちょくることを楽しみとしている。
裏では不都合な情報を揉み消したり、資金稼ぎのために企業を買収したり、万世橋らに自ら稽古をつけたりと悪の総帥らしい真面目な仕事ぶりを披露する。笑い方の癖は「うっふふ!」
(台詞):『いやぁ〜、お疲れ様でしたぁ! うっふふ。この調子で、どんどん闇堕ちさせていきましょうねぇ!』
『万世橋くん……あとを、頼みます』
◆⑦ラブちゃん先輩(悪の組織幹部、セクシーチート枠)
(概要):元・最強魔法少女【星屑の魔法少女・ピュアラブハート】。26歳。
実写劇場版までリリースされた国民的なアイドル魔法少女だったが、闇堕ちをしたことである日芸能界から忽然と姿を消した伝説的魔法少女。
現在はハイトーンなアニメボイスを活かして、組織の公式Vtuberをすることで資金面で主に活躍している。
(能力):武器は星をも砕くハート形の【弓】。ピュアラブアーチェリー。
魔法少女時の記憶はあるが、総帥同様マジカルの使い過ぎで記憶が欠落している。重要なマジカルの使い方の一部が思い出せないので、今の戦闘力はそこそこ。
(総帥>>>ラブちゃん先輩≧ドクトル>泉+紫>万世橋+白雪)
(外見):髪はピンクのふんわりボブ。衣装は、乳首と下をピンクのリボンで隠しただけの究極露出度。おっぱいは紫並みにデカい。(G~Hカップ)。
(性格):パリピ気味のハイテンションだが、組織内では面倒見のいいお姉さんな一面も。
記憶喪失前のパートナーマスコットは総帥。しかしふたりとも覚えていない。
(台詞):『あなたのハートに、ピュアラブずきゅーん!(大爆発)』
◆⑧ドクトル・マッディ(悪の組織幹部、天才科学者枠)
(概要):本名、
元・魔法少女のマスコットのカエル。かつての通り名は『東工大の毒蛙』。
行方不明となったパートナーの魔法少女、妹の
(能力):科学者なので基本内勤だが、本気を出すとめちゃくちゃ強い。刀を武器にした居合でどんな首でも斬り落とす。毒薬を使った状態異常も得意。
(外見):アッシュグレーの髪を肩あたりでもさつかせた白衣の青年。猫背で目の下のくまが濃い。戦闘時は軍服の上に白衣。
(性格):努力家で研究者気質。突き詰めると止まらなくなる。極度のシスコン。比較的愉快で明るい引き籠り。
地下基地の維持や、善なる魔法少女に対抗するための『人造悲骸獣くん』、その他便利なアイテムとヤバい薬の開発は全て彼の担当。
最近のお気に入りは、どんな魔法少女もたちまちに拘束してぬるぬるにする『触手くん3号』。魔法少女を傷つけずに安全に捕まえられるところがグッドポイント。
ヒロインらの闇堕ち衣装はドクトルと総帥の並々ならぬこだわりと、万世橋ら男子の意見をもとに「圧倒的エロかわ!」をテーマに作られている。
(台詞):『やっぱり、魔法少女といったら触手責めだよねぇ!』
『あはっ! ……死に晒せハピネス。ボクの妹を、返せ』
『あれ〜? 落ちた首が喋ってるよぉ? ふひ、ウケる!』
◆⑨はっぴぃ理事長(未知の異星体、ハピネス13号)
(概要):本作の真の悪役。銀河の果てに存在する異星『妖精国』の使いにして、世界各国に点在する管理員の一体。
(能力):異星のエイリアンのため、現在の第一形態から最大で第三形態まで形態変化が可能。
第一⇒マスコット
第二⇒筋骨隆々な巨漢(頭はくまのまま)、凶悪ヅラになる(マーベル作品の「ヴェノム」のような感じ)。
第三⇒腕が六本に増えてパワーが増す。
首は360度回しても平気。胴体を切り離しても息をし、切ったところから増殖して再生するプラナリアのごときエイリアン。確実に殺すには消し炭になるまで燃やし尽くすしかない。
(外見):手のひらサイズのくまのぬいぐるみ。マジカルな力で宙に浮いている。
(性格):表向きの性格は朗らかな校長にして愛らしいマスコット。裏の性格は悪辣で残忍。
(台詞):表『それでこそ愛と勇気の、魔法少女っぴぃ~!』
裏『ぐぴゃははは! お前のその甲羅、引っぺがして内臓引き摺りだしてやるっぴぃ!』
どんな姿になっても語尾は『っぴぃ』。
(補足):オーソドックスにキモい悪役。魔法少女粛清砲『ラブ・サテライト』は、こいつの指示で飛んでくる。
◆⑩その他善なる魔法少女たち(ハーレムラブコメ枠)
・マジカル学園の在校生にして街の平和を守るヒロインズ。
主人公、万世橋の敵味方関係なく人々を守る姿に感動し、ひとりまたひとりと陥落させられ悪の組織に加わることに。
◆⑪(おまけ)プロデューサー(悪の組織幹部、脱サラおっさん枠)
・元アイドル事務所の敏腕プロデューサー。ブラック企業に耐えられなくなり無職となったところを総帥に拾われる。
・個人で魔法少女らのスカウト活動に励む、組織の『闇堕ち担当』。
その傍らで万世橋らに上手なスカウト方法やSNSでのPRなどを伝授したりする、組織の事務と資金面を支える広報。
【物語構成】
序章と終章を含む、全六章構成(全12万文字程度。文庫一巻)。
序章: 導入。悪の組織の日常を描く。
一章: 悪の組織の構成員(主人公)と正義のマスコット(サブヒロイン)が出会う。
二章: サブヒロインと主人公が急接近。ヒロインが妬く。ヒロインは己が魔法少女になった理由と過去、主人公への好意を打ち明けふたりの関係が一段階前へ。
三章: 囚われた魔法少女(サブヒロインの主)を救うべく、対ハピネス迎撃作戦に出る
四章: 凶悪兵器ラブ・サテライトを破壊し、囚われた魔法少女が救われる。主を取り戻したサブヒロインが正式に組織に加わる。
終章: 新たな仲間を加えた悪の組織の日常をハッピーエンドに描く。
◆序章:悪の組織、出撃!
悪の組織は、SNSで宣伝する。
『本日出撃~! 会いたい魔法少女は道玄坂おいで♪ #渋谷 #道玄坂 #悪の組織 #泉式部 #モデル #出撃 #魔法少女』
集まったのはマジカル学園の在校生にして現役の魔法少女たち四名。
悪の組織による企業乗っ取り、略奪を防いで平和を守るために駆けつけたのだ。中には悪の組織のメンバーに個人的な因縁をもつ者もいるよう。
元・後輩である魔法少女たちを軽くいなしつつ、総帥に頼まれていた本日分の企業買収と仕事を終えた万世橋らは颯爽と撤退。組織の地下基地に帰っていく。
基地に帰ると、そこでは総帥が早速ニュースになっている「道玄坂襲撃事件」の記事をにまにまと眺めながら、労いの言葉をかけてきた。
こうやって人命に支障のない出撃と撤退を繰り返し、戦力と資金を蓄えていく。
これが悪の組織の日常――
「愛がマジカルを強化するのです!」という総帥の鶴の一声で、美少女魔法少女とワンルームで暮らす生活。
そんな日々に身を投じながら、万世橋は悪の組織の真の目的達成のために、明日は魔法少女の白雪とパトロールという名のデートへ行くことになった。
◆一章:
謎の異星体ハピネスにより人類にマジカルが授けられて十余年。世には、マジカルを用いて悲骸という怪物と戦う魔法少女とヒーローがいた。
しかし、その実態は自作自演の破壊と救済。ハピネスによって齎されたウイルスは人々の負の感情を餌に、悲骸というバケモノを生みだすようになってしまった。加えて、魔法少女は力を振るえば振るうほどに感情エネルギー――生命力や記憶を吸い取られてしまう。
悪の組織の目的は、諸悪の根源たるハピネスを全世界から駆逐すること。
魔法少女を『闇堕ち』と称して仲間に引き入れ、日々戦力を確保している。
ハピネスのいた星では、感情をエネルギーに変換し、ときに結晶石として保管する技術が確立されている。だから、彼らによって与えられたマジカルが「愛と勇気で強くなる」というのは事実だ。
万世橋と白雪は、組織の地下基地で強制的に同棲しながら、本来の使命、正義の魔法少女たちが行うような悲骸退治も行っていた。在学中の管轄エリアは秋葉原。
日本の平和を守るために秋葉原にパトロールデートに出た万世橋と白雪は、そこで『真の闇落ち』をしてしまった魔法少女に出会った。
感情の爆発により黒く染まる魔法少女衣装。周囲を巻き込むような黒い風の嵐。
それを黙らせるように頭上に煌めいたのは、魔法少女粛清砲『ラブ・サテライト』だった。
秋葉原の交差点をぶち抜く圧倒的な破壊力。光に吸い込まれて消えていった『闇堕ち』の魔法少女……呆然と立ち尽くしていると、そこに男装の麗人、紅乃瑞樹が現れた。「お嬢様をどこへやった!悪の組織!」詰め寄る瑞樹は剣を抜く。
万世橋と白雪はやむを得ず一戦を交え、気を失った瑞樹を基地へと連れ去った。
◆二章:
悪の組織に誘拐された瑞樹は興奮状態。精神的にも不安定で、「組織の中でも一番善人ぽい」とされる万世橋はその世話役を任される。
基地を案内して、食堂でご飯を食べさせて、つんけんされても親切にする万世橋に、瑞樹は徐々に心を開いていく。
それが心底面白くない白雪は、焦るあまりに万世橋を押し倒したり……
「私が闇堕ちしたのは、万世橋が好きだからだよ……?」
ふたりの少女のラブ感情エネルギーが万世橋に密かに蓄積されていくなか、組織のメンバーはにやにやしながらそれを見守る。
そんな中、ドクトルの開発した最新観測レーダーが『ラブ・サテライト』の再出現を観測した。「お嬢様が、あの衛生砲に囚われているかもしれない……!」策もなく基地を飛び出す瑞樹を追いかけ万世橋らは『ラブ・サテライト』の元へと急ぐが、その出現は悪の組織をおびき出すための罠だった。
はっぴぃ理事長の策にまんまとハマる三人。
突如として浴びせられたラブ・サテライトの一撃に、万世橋はふたりを庇うようにして全力で【盾】を顕現。大怪我をして意識を失ってしまう。
◆三章:
かろうじて意識を取り戻した万世橋は、「私のせいでごめんなさい」と瑞樹に頭をさげられる。涙ながらに謝罪する瑞樹に「無事でよかった」とだけ返す万世橋。
瑞樹は、そわそわとしていたこの気持ちが万世橋への恋心だったのだと自覚し、深夜の自室で身悶える。
一方で万世橋は、目を覚まさない間につきっきりで看病をしてくれていた白雪に惚れなおす。万世橋の周辺で尋常でないラブパワー上昇を感じとった総帥は、「今なら【進化】できるのでは?」と思い立ち、泉と紫も巻き込んで万世橋らと特訓。
悪の組織は、亀でなく竜へと変化するマスコット能力を身に着けた万世橋と、
◆四章:
『ラブ・サテライト迎撃作戦』をするには、何よりもまず、星の彼方を浮遊するラブ・サテライトをおびき出さなければならない。
ラブ・サテライト発動の権限をもつはっぴぃ理事長を脅すか、新たな『真の闇堕ち』をその場で出現させて囮にするか……
その囮作戦に、瑞樹が自ら名乗りをあげた。
瑞樹の感情エネルギーを暴発させて『闇堕ち』をうながすため、総帥の指示で単独敵地に向かう万世橋。わけもわからず万世橋は従うが、単独特攻は無茶ぶりが過ぎる。案の定窮地に陥る万世橋の姿に、瑞樹の想いが覚醒。
「私はもう、目の前で大切な人間を失いたくない……!」更なる力を欲する心が瑞樹を闇堕ちさせた。それを餌に出現したラブ・サテライトを覚醒した万世橋と白雪が撃ち落とし、はっぴぃと直接対決の末勝利する。
◆終章:
救出した花の魔法少女と瑞樹を正式に悪の組織に迎え、悪の組織ははっぴぃ以外のハピネスを撃滅するべく活動を続けるのだった。
◇二巻以降は新たなヒロインの闇堕ちと新たなハピネスとの戦いを描く。
SNSや追跡、マッチングアプリなどの現代要素を取り入れた、現代における悪の組織と魔法少女を描いていく。
ベースは現代ファンタジーだが、内容はややラブコメ寄り。甘さとシリアスで物語に
悲骸の発生を防ぐ方法を生み出すという根本的解決をすることで、いつでも完結、打ち切り対策できる。
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