第14話 マリンの苦悩(2)

次の日の早朝、私は時計台の前に来ていた。




「まともに話したこともないのに特訓なんて、やっぱりだめだったかな」




でもラビアさんならきっと凄い魔法も知っているはず。




そんな風に思っているとラビアさんがやってきた。




「すまない、遅くなった。さっそく始めようか」




「はい!よろしくお願いします!」




「よし、じゃあまず私に魔法を撃ってくれるかな」




「ラビアさんにですか!?」




場所をダンジョン一階層に移して開口一番いわれたのがそれだった。




「なに、君では私に怪我はさせられないから安心して撃っておいで」




「はい、、」




本気で撃っていいんだろうかと心配になりながらも詠唱する。




「大気に満ちる空気よ、凍てつく槍で敵を貫け。フロストスピア!」




渾身の一撃は放ったつもりだったが、ラビアさんに手で受け止められてしまった。




「な、、、」




「弱い。威力が低すぎる」




まさか手で受け止められなんて、、




「威力が低い原因はイメージが足らないことだろう」




そういって私に手を向けた。




「大気に満ちる空気よ、凍てつく槍で敵を貫け。フロストスピア。」




え、放たれたのは私よりも数倍大きい氷の槍。私の真横を通過して後ろのゴブリンに刺さった。




「しっかりイメージすればこれぐらいにはなる。」




速度も威力も私とは段違い。




「もう一回やってみます!」




「大気に満ちる空気よ、凍てつく槍で敵を貫け」




しっかり氷の槍で敵を貫くイメージをする




「フロストスピア!」




さっきよりも大きい氷の槍がラビアさんに向かって飛んでいく。ラビアさんはもっていた杖でその槍を破壊した。




「やればできるじゃないか。よくなった」




「ほんとですか!?」




「ああ。残念だが、そろそろ時間だ。また明日だな。」




「はい、またよろしくお願いします!」




私の魔法特訓はまだまだはじまったばかりだ。

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