第2話 ヒナクスの街(2)

「きっついなあ」




疲労感満載の体に鞭打って人型のモンスターと戦う。




最初はこのダンジョンを攻略することを目標にがんばっていたが、いまでは毎日生きるのもギリギリなくらいだ。




生きていくには、宿に泊まったり食料やポーションを買ったりするお金が必要なのだが、この世界では商売をする以外に、このモンスターを倒すことによって出てくる赤い水晶のような魂の欠片をお金にすることが出来る。




まだまだ気を抜かなければ苦戦する相手ではないが、その分欠片も少なくなる。




「この剣もそろそろ替え時かなぁ」




手に持つ二刀の短剣を見つめる




この剣ははじめてこの町に来たときに朝の雑貨屋で買ったものだ。雑貨屋で買ったくせに意外に手になじんで使いやすかった。




ダンジョンを攻略している人は武器として剣や魔法、ハンマーやノコギリなんかも使っている人がいる。要は敵を倒せれば何でもいいのだ。




もっともこの低階層では手に入りやすい武器を使っている人がほとんどで魔法を使っている人はほとんど見ない。まああんまり簡単なものでもないのが原因か、攻略ではなく出稼ぎに来ている人が多いからこうなっているのかは分からないが。




少し休憩を挟んで、換金所にむかった。




「今日は650セルか」




んーと、宿が一晩300セル、ポーション一個150セル残りが200セルか。




「武器を変えるにもやっぱりお金がないとなぁ」




いつもの宿に帰り、寝る準備をする。




「一応、スキルの確認だけしておくか。」




この世界ではスキルだけは専用の鏡で見ることが出来る。一応、魔法も見れるのだが、俺は今のところもってないから関係ない。




この鏡はダンジョンに入る前に全員が換金所でもらうことが出来るものだ。




「覚醒、、、だけか」




このスキルだけは最初からあった。だけど覚醒なんて名前だけでダンジョン攻略を始めて3ヶ月、一回も効果を実感したことはないのだけど。




また明日頑張ろう。




憐也         スキル一覧


覚醒   何かのスキルに突然目覚める確率が上がる

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