第12層 ドッペルなモンスター



 第12層


 そして、第12層。

 最後のツェルトと合流した。


 彼もなぜかライドと同じように先の層へ先行していたらしい。


 ステラの事が気がかりで、転移トラップを踏んだとかなんとか言っていた。


「似た者同士、なのかしら私達」

「おう、おそろいだな、俺達!」

「うーん、これは喜んでいい共通点なのかなー?」

「脳筋になると、危機感が鈍ちんになんのかね?」


 これで全員合流となった。


 しかし、問題がある。


 なぜかツェルトが二人になっていた。


「ステラステラ、遊ぼうぜ! ダンジョンより俺にかまって」

「ステラステラ、俺と遊ぼうぜ。面白い遊び思いついたんだ」


 この層ではどうやら偽物が多くいるらしい。


 人に化けるモンスターが多くは徘徊しているのだとか。


 通常は、パーティーで固まって移動していれば、見分けが用意につくらしいが。


 ステラ達は、一度はぐれてしまっていた。


「ツェルト君、どっちも本物に見えるよー」

「まったくそっくりで、見分けつかねー感じ」


 ニオとライドは偽物の看破に苦労していた。


 だが、ステラはなんとなく一目でわかった。


 何がどう分かったかは分からないが、なんとなく勘でだった。


「たぶんこっちは本物のツェルトで、あっちが偽物だと思うの」

「えっステラちゃん分かるの?」

「まじで、俺様達ぜんぜんわかんないけど?」


 だからステラは偽物だと思うツェルトに向けて、剣を振りかぶった。


 そしたら、偽物のばけの皮がはがれてモンスターに変化する。


「ホントだった!? えっ、ステラちゃんすごーい!!」

「まじかよ」

「さすが俺のステラだぜ! 愛の力だな!」


 それで、皆で協力して偽物のツェルトをやっつけた後、先に進んでいく。


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