第10層 ニオと合流



 第10層


 一人きりでのダンジョンはかなり大変だった。


「もうっいい加減にして、何でいくとこいくとこモンスターがいるのよっ」


「挟み撃ち!? しかも道が分からない! こんな時に皆がいてくれたら」


「この扉ってトラップが仕掛けられてるの? どうなの? 見分けがぜんぜんつかないわ」


 何度命の危機に瀕していたか数えられないほどだった。


 しかし、ステラは希望を捨てなかった。


 そんな中、最初に合流したのはニオだった。


「ステラちゃん!」

「ニオ! 無事だったのね。心配したのよ」

「ごめんねステラちゃん、心配かけちゃって」


 ニオは知り合いの攻略者と一緒に行動していたようだ。


「うむ、ニオの連れが見つかったようでなによりだ。また困った事があったら全人類のお兄様である私に頼るがいい。さらばだ!」


 その個性的な人物は、ニオとステラの合流を見届けて笑顔を残した後、その場からさっそうと去っていった。


 一人で行動することになるが、あの人は大丈夫なのだろうかと不安になった。


「えっと、ニオ? あの人は?」

「昔馴染みのお兄さんかな。「一人で頑張るな、視野が狭くなるから人を頼れ」って、いっつもうるさいんだよ。同じ故郷で育った人」

「良い人なのね」


 ニオは焦って行動していた事をこちらに謝ってきた。


「ごめんねステラちゃん。今度からは一人で行動しないようにする」

「そうしてくれると助かるわ。だってすごく心配したんだもの。ちゃんと反省するのよ」

「はーい」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る