第8層 難易度アップ



 第8層


 第8層に踏み入ったステラ達はより慎重に行動せざるを得なくなった。

 モンスターの強さが凶悪になり、トラップの質も悪質になってきたからだ。


「難易度がぐんと上がったみたいね」

「確かに、ここを一人で進むのは危ないよなー。パーティ増えてて良かった」

「ニオ、トラップ探知やってるけどさっきからずっと休みなしだよー」

「ニオちゃんがんば。ってか、このマップなんか複雑だな。マッピングした地図がめちゃくちゃごちゃごちゃしてきたわー」


 ダンジョンの構造も複雑になっていて、行き止まりも多くなった。


 段差のある場所も存在するため、高所からモンスターに襲われると大変だった。


 第8層は、そんな少しのミスが命取りになるような場所ばかりだった。


 そのため、攻略はこれまでとはうって違って、スピードを落とさなければならなかった。


「ゆっくり慎重にいきましょう」

「おう、分かった」

「はーい」

「へーい。石橋をたたいて渡れてきなそれね」


 しかしそんな中、ニオ達には悩みがあったようだった。


「うーんでも、ニオ達にはあんまりゆっくりしてられない事情もあるというか」

「だわな。故郷の連中大丈夫かね」


 彼等は、故郷に蔓延している病の特効薬を買いたいという、そんな目的を持っていた。


 一度かかったら完治させるのは難しいが、症状の進行が遅く対処療法がよく効くのが救いではあったが、稼げる時間は無限ではない。


 ニオ達は焦っていた。


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