第5層 王女様は戦闘狂



 第5層


 ダンジョン攻略にだいぶ慣れて来た頃。


 ステラはあるパーティーと出くわした。


「にゃあああああ! なんで目が合うモンスターみんなこっちをおいかけてくるのっ!」

「それ、たぶん俺達がモンスター寄せの粉かぶっちゃってるからだと思うわ」

「何それ聞いてない! なんでそんな事なってるの? ニオが寝てるうちに何やってたのライド君!? 後でお仕置モノだよ! もーれつに迷惑なんですけどー! ばかばかーっ!!」


 それはモンスターの大群から逃げている少女と少年だった。


 その人物の名前はニオとライド。


 せまりくるモンスターの群れの前で涙目になりながら精一杯逃げようとしていた。


「あっ、なんか前に人がいる。そこの人逃げて! ニオ達大変だけど。そっちいったらもっと大変になっちゃう!」

「あー、なんか知らない人だけど、巻き込んだらさすがに寝覚めが悪いよな」


 そして、彼女達はこちらに気がついて忠告してくれる。


 しかし、ステラ達は逃げる気はなかった。


 この階層でモンスターと出会う事はかなりレア。


 モンスター寄せの粉がないと出会えないくらいだった。


 だから、その戦闘はチャンスでもあったのだ。


「大丈夫、今とっても戦いたい気分だから。ね?」

「まあ、暴れ足りない感じしてたし」

「ええええええ! かわいい顔して戦闘狂なのっ!?」

「類は友を呼ぶってか? あっちのお仲間も、やる気みたいだぜニオちゃん?」


 だから、ステラ達は迫りくるモンスター達に切りかかった。


 多少手こずったものの、群れはあっけなく討伐。


 ニオ達は目を丸くした後に、ステラ達をパーティーへ勧誘してきたのだった。


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