第1層 さっそくダンジョン



 ダンジョンという存在は、ある日突然世界中にできたものだ。


 なぜできたのか、どういう意味があるのかは誰も分からない。


 一説によると、遊びの神様が退屈して、人々に向けて挑戦状をはなったとかいう話があったが、真相はさだかではなかった。


 そんなダンジョンは、攻略すると利益があった。


 だから一攫千金や名誉などの夢を持つ人々は、日々苦労しながらダンジョンを攻略しているのだった。






第1層


「ここがダンジョン...。…。空にそびえるすごく大きな建物ね。お城からも見えてたけど、どこまで伸びてるのかしら」


 ステラはダンジョンの前に立っていた。


 考えたら即行動の性格である王女様は、とにかくイケイケどんどんだったからだ。


 たまに自身を誘拐しようとするならず者に遭遇しても、大して尻込みするような性格ではなかった。そのため、ダンジョン攻略で危険な目にあう事にたいする抵抗感も薄かったのだ。


 武器や装備を整えたステラはさっそくダンジョンに入っていく。


 初心者用の装備だが、それくらいは、なんとなかる財力はあった。


「みんなにいじわるされてるけど、おかげでへそくりの達人になったわ」


 悲しい特技が理由だった。


 そんなステラは、慣れないマッピングをしながら、ダンジョンを少しずつ攻略していく。


「まっぴんぐ? しながら周りにも気を付けなくちゃいけないのね。これは大変だわ」


 ダンジョン内では狂暴なモンスターが出てきたり、罠が仕掛けられているため、細心の注意を払って進まなければならなかった。


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