第10話 ダブルドラゴンスレイヤー
ーー 帰りにドラゴンを狩っていこうか。
帰り道を少し寄り道して、大森林に向かった。
「ねえ、本当にまたドラゴンを狩るの?」
「ああそうだ、今度は以前とは違う。問題ない。ここで待ってくれ。」
そう言うとアレフは、森の中に走り消えた。
「もうしょうがないわね、ここでランチでもして待っていましょう。」
スノーはそう言うと馬車から降りて、ランチの準備をさせ始めた。
1時間後。
アレフは今、ドラゴンと対峙している。
今度のドラゴンは、真っ赤な火竜だ。
正面から挑む、ドラゴンが警戒しながら威圧を放つ。
俺も負けずと威圧を返す、一瞬後ずさったドラゴンが怒りの孔砲を上げる。
ブレスを吐く予備動作だ!
アレフは、結界魔法を全面に張る。
ドラゴンの口から真っ赤なブレスが吐かれる。
結界がギシギシと悲鳴を上げる、さらに結界を重ね掛けする。
一枚目が破られる!そこでブレスが止んだ。
アレフは、刀を抜いて駆け出す。
火竜は上空に逃げようと羽ばたく、そこにアレフの重力魔法が放たれる。
「ズシーン!」
地面に叩きつけられるように落ちる火竜、何かに上から押さえつけっれるような格好で足掻いている。
そこにたどり着いたアレフは、火竜の目を見ながら刀を振るう。
2度3度と振るうたびに、火竜の目から正気が抜け出るように弱くなる。
5振り目で首が切り飛んだ。
すぐさま火竜を収納してスノーの待つ馬車に戻る。
「今度は早かっただろ。怪我もないし、服も大丈夫だ。」
と言いながら首を取り出して見せる。
「その色は・・火竜ね。凄いわね。」
というスノーと食事を取ると王都へ出発した。
3日後、王都ギルマスの部屋。
「なに!またドラゴンを倒しただと。今度は火竜。・・ 分かった王国には連絡しておこう。」
と言うギルマスに
「今度のドラゴンは、売りたいがどうすればいい?」
と声をかけると、ギルマスは
「オークションがいいだろう。後で手続きを教えるから持っとけよ。」
と言いながら何処かに連絡し始めた。
俺は、買取の受付で
「辺境伯の森で魔物を狩った、買い取ってくれ。」
と言いながら裏で大物の魔物を3体ほど取り出して買取を依頼した。
買取額は金貨230枚と銀貨50枚だった。
帰りに美味しい食材と綺麗な布地・魔物の皮とミスリルを買い家に戻った。
「ただいま。」
と言いながら家に入ると、スノーが腰に手を当てて
「貴族に自覚が無さすぎる。王都では馬車で移動するように、他の目があるし国王様が悪く言われるのよ。」
と説教された。
流石に子爵となれば、歩いて王都をうろうろするのは外分が悪いそうだ。
王都内ではスノーの言うことを聞いておこう。
10日後、王城にて。
「アレフ=ドラゴン子爵、またしてもドラゴンを倒したと聞いたぞ。また見せてくれるのだろうな。」
と言う国王様に前回と同じように中庭に移動してもらう。
収納から真っ赤な鱗の火竜を取り出す。
長さは前回と同じく30mほど、首を横に置いて
「今度のは傷が少なくて倒せました。」
と言うと
「流石じゃ。」
とニコニコと頷くと横の宰相殿に
「アレフ子爵に褒美を出さぬでは、国王の恥べあろう。以前の話をすすめるように。」
と言いつけた国王はご機嫌な様子で戻っていった。
残された宰相殿は嫌々な顔で
「アレフ子爵に申し付ける。此度のドラゴン討伐で領地を授ける、後ほど仔細を伝えるのでよく治めるように。」
と言うと城に戻って行った。
「領地をくれるのか、スノーの相談しよう。」
と言いながら俺は自宅に帰って行った。
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