第12話 余裕かましてると必ずなにか落とし穴がある
時刻は午前七時半。
私は会社で食べる昼食用にと、タッパーに米を入れることにした。
ぱかっと炊飯器の蓋を開け中を覗くと、私の昼食には間に合うが、米の残量が少ない。
私は、夕方私より早く帰宅する次男が納豆ご飯を食べる場面を想像し、米を炊こうと決心した。
とりあえず、炊飯器の保温スイッチを切る。
そしてそのまま流れるように洗濯物を干し、朝食をとった。
朝食は私の大好きなきなこ餅だ。
うひゃうひゃしながら餅を頬張り、スマートフォンでニュースを見る。
こっ、これは……
私の視線は一つの見出しに釘付けになった。
なぜなら我がパート先に存在する、とある商品の名前がそこにあったからだ。
その記事には、その商品を誤った使い方で使用するとあるものが故障や爆発すると書いてある。
ば、爆発だと!
私の胸は高鳴った。
あるもの、その名は炊飯器。
私の知らないところで、しれっと高級家電のような佇まいを身に着けていた、あの炊飯器である。
炊飯器爆発すんのか!そりゃ見てみたい!できないけれども!
私は興奮しながら、きなこ餅三個を平らげた。
その後減塩わかめスープを飲みながら考える。
まだ時間があるから、シュシュでも編むか……と。
そして出勤途中、車のハンドルを切りながら思い出すのだ。
……米炊くの忘れた……と……
許せ、我が息子よ……落涙
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます