第49話 うた声を頼りに
その頃、ノイズ達は林の中でそよ風で揺れて聞こえる木々の音に耳を澄ませ、誰かの術が来るのを警戒していた。時おり聞こえる鳥の鳴き声のする方に顔を向けたりしていると、リディが首をかしげ少しノイズとノオトから離れた
「リディ、どうしたの?」
ノイズが小声で話しかけるがリディはどんどん林の入り口の方へと歩いていく
「声が聞こえないか?」
足を止め辺りを見渡しながらリディも小声で二人に尋ねると、ノイズとノオトも足を止めリディが向く方を見た
「声?聞こえないと思うけど……」
「ほら、でもなんか……」
ノイズが不思議そうに聞くと、リディがすぐ言い返してまた少し入り口の方へと歩き出す。するとすぐノオトにも声が聞こえたのか歩いていた足を止め、リディと同時にノイズを見た
「……なに?」
急に二人に見つめられ戸惑うノイズを挟んでノオトとリディが見つめあい同時に頷いた
「ノイズの声にそっくりと思うんだけど、今うたった?」
「私が?いやいやいや、そんな気分じゃないよ」
リディに言われて慌てて否定するが、リディは納得いかないような顔をしてノオトを見た
「ノオトはどう思う?」
「とりあえず、声がする方に向かおう。魔法が使えない人ならここに居たら危ないし」
「わかった。すぐに行こう」
ノオトに返事をしてすぐ走り出したリディ。ノオトも後を追うように走り出すと、二人な話しをまだあまり理解していないノイズも置いていかれないように少し早足で後を追いかけていく
「メメ、体調はどう?」
「悪くないわ。ありがとう」
リディが声が聞こえた頃、ミクの膝の上で目を覚ましたメメがうーんと背伸びをしていた。怪我が治ったかを確認するついでに毛繕いをして気分を落ちつかせるメメをミクが背中を優しく撫でる。のんびりと過ごしていると、突然メメの耳がピクッと動いた
「なんの音かしら……」
ミクの膝から離れ近くの木の上までふわりと浮かび周辺をウロウロと飛び回る
「誰かがうたっているのかしら。助けに行かないと」
「ミク、ちょっと待って」
メメが浮かんでいる場所から反対方向に飛んでいこうとしていたミクを止め、両耳をピクピクと動かし、ミクの肩に乗っかった
「この声はノイズ達に任せましょう。それよりもうすぐオンプ達が来るはず。今の状況を話しましょう」
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