魔王を倒したのにエンディングになりません!

たい焼き。

第1話

「よし、魔王がいる城までたどり着いたぞ!」

「あとは魔王さえ倒せば世界が平和になるのね!」


 ◇ ◇ ◇


 俺たちは世界に平和をもたらす為、魔王討伐を目指し旅をしている。

 俺は何の名物もない自分の生まれた村に箔をつける為に、魔王討伐に立候補した。

 今のご時世、何も無い村では若い世代が発展している街や名産品があるような村へ引越してしまうので人口流出を食い止める為にも、俺が魔王を倒した勇者となり、出身地として聖地巡礼してもらうべく旅立つことにした。


 俺のこの考えに賛同した南の森にあるエルフの里のエリーは弓使いとして同行してくれることになった。

 エルフなら少子化とか関係なさそうだけど、聞くところによると珍しいため誘拐される事件が後を立たないんだと。


 確かにエリーを見てもそれは想像がつく。

 エリーは太陽にキラキラと煌めく金髪を腰辺りまで伸ばして、ハーフアップにしている。

 ぱっちり二重の目はビー玉のようにツヤと透明さがあり、悪事や隠し事など全て見透かされてしまいそうだ。

 鼻筋はすうっと通っており、ふっくらとした頬とぽってりとした唇にはつい目が吸い寄せられる。

 弓使いの特性かわからないが、スリットが入った丈の短い淡い緑のスカートに黒のショートスパッツ、上は黒いタンクトップにスカート同じ色のベストを羽織っていて、色白のスラッとした手足を惜しみなく露出している。


 ……そりゃ、誘拐事件も起こるわな。


 それで、知名度をあげて観光客を得ることで誘拐しづらくなる里づくりを目指しているらしい。



 俺はエリーと二人で魔王城を目指していた。

 途中、見えない壁に行く手を阻まれるなど、不思議な出来事がいくつかあったがエリーと突破してきた。

 そんな時、一人の司祭がこちらへ駆け寄ってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る