簡単クッキングの隠し味
「俺はまだ開けてねぇ。これから開けるさ」
俺は山形次郎41歳。なんか大分勘違いが進んでると思うんだが、俺に幼女趣味は無ぇからな?そこん所だけは、宜しく頼むぜ。
でもまぁ、この世界で
ところでさ俺……ラーメンって作った事無いけど、大丈夫だよな?
-・-・-・-・-・-・-
結局俺は、2階止まりだった。なんでかって?2階で囲まれたからだ。俺は一対一のタイマンならイケるんだけど、囲まれたらダメだ、ボクシングはタイマンって決まってるだろ?
読んだ漫画で一体多数の時にどうすればいいかなんて描かれてなかったしさ……。だからリンチは流石に辛い。
それに卑怯だと思わないか?男なら正々堂々とタイマンだろ?
ってな訳で早々に退散した俺だが、あの茶目っ気のあるモンスターって攻撃食らうと結構痛いのな。最初、背中からドンッて来た時、金属バットで殴られたかと思ったよ。
まぁ、金属バットで殴られた事なんて今まで無いけどな。それに背中は装備がなくてガラ空きだったから、装備の性能を確かめる事も出来なかったぜ。参っちまうよな……。
んでもって、帰って来たら二度目のビックリさ。
なんと、服の背中の部分が失くなってやがった。布がボロボロになってる感じって言うか、溶かされた……みたいな?ブラジャーとかしてたら服と一緒に溶かされたのかな?それとも、ブラジャーを見せながら帰って来る事になったのか分から無ぇけど、そうしたら露出狂だと思われちまうよな?だから、この世界にブラジャーってモンが無くて良かったと思ったぜ。
男だった俺からすれば、ちゃんと着けられるか分から無ぇ下着だしな。
まぁ、話しが逸れちまったがそんな訳で、俺の模擬戦はそこで終了だった訳だ。「諦めたらそこで試合終了」とか誰かが言ってた気がすっけど、諦めずに生命
だから遅ればせながら一人では無理だと悟ったので、
その日は二人を説得して、なんとか俺を食べるのを我慢……してくれたら良かったんだが、我慢してくれない二人に結局食べられる事になった。だがまぁ、昨日よりはイカされる回数も少なかったから、「三者一両損」ってヤツだな?二人がちょっとずつ我慢してくれた事で次の日は、多少フラつきながらも朝からダンジョンに入れるくらいの体調だった。
ってな訳で、今度こそ俺達は三人でダンジョンに行く事にしたのさ。
先頭は勿論
お守りなら最後だろって?いやいや、
だから先頭で
ま、俺一人より
「へぇ、これが課長か?普通のモンスターより少し大きいくらいか?」
「まま、コイツは速いから気をつけてね。攻撃力はそこまで無いけど、うちの攻撃が避けられたら、ままの所に行っちゃうかも」
「大丈夫だ、問題無い。
こうして初めての共同作業的な感じで課長戦が始まった訳さ。まぁ、
それでも、俺はちゃんと闘えてたと思うぜ?デンプンロールで頭をガードしながら攻撃して一回は殴れたし……まぁ、一回殴る間に三回くらいは貰っちまったけど、昨日の模擬戦の甲斐があって背中に貰う事は無かった。
でも攻撃を貰うと金属バットで殴られたような衝撃はあるんだけどさ、どうやらフライパンや木のお盆は服みたいにボロボロには出来無ぇ様子だった。
で、結局は俺が一発殴ってよろめいた課長に、
それにしても、
「まま、大丈夫?何回か敵の攻撃受けてたでしょ?」
「大丈夫だ、ありがとな
「大丈夫ならいいけど……それよりもそうだ!まま、
多少痛い思いはしたが、これで俺も装備が充実していくと思うと自然と痛みは引いてったね。で、ドキドキわくわくのお宝御開帳ってヤツだ。
「ママ?これなぁに?」
「うーん……下駄……かな?」
「ゲタってなぁに?」
「足に履く靴みたいなモンだ」
先ずは
だが、バレェダンサーが下駄履いてるようにしか見えない絵面ってどうなのさ?斬新と言えば斬新で、滑稽と言えば滑稽で、シュールと言えばシュールなんだが、和洋折衷ってヤツだから、まぁいいか。
で、次は俺の番だ。
「これって三徳包丁……だっけか?しかも片刃……で、見た感じこれって左利き用……だよな?」
「ままの包丁格好いい!
俺の専用装備は包丁だった。しかも左利き……。クレアは左利きなのかな?そんな事を気にした事もなかったが、俺は右利きだ。
とは言え、これが専用装備認定されてるって事は包丁持ってるだけで、
家で包丁握らなくて本当に良かったさ。使用人の惨殺とかしたくねぇもんな……。
「外れ引いちまったから、アイツはガチョウだったんだな……くそっガチョウめ!」
「がちょう?何それ美味しいの?」
「それは気にするな
「ちょっと歩きにくい。でも、わちき専用だから慣れてちゃんと使いこなせるようにするッ!」
「そっか。じゃあ転ばないように気を付けるんだぞ」
こうして俺達は更に階下を目指して行く事にした。そこから先は特に何か起きた訳じゃない。ただ、出て来るモンスターの数が階を増やす毎に多くなっていくだけだ。
俺もなんとか闘い方が分かった気がしていたし、
素早い動きで敵を撹乱して、蹴りを中心とする闘い方を覚えた様子だったが、そこで俺は大事な事を思い出したね。そう!帰ったら
そう言えば、今までずっと下着を履かせてなかったなって、今更になって思い出した訳なんだよ……。やってらんねぇよな。
俺には幼女をノーパンでいさせるようなそんな趣味は無ぇが、当の本人がそれを当たり前だと思い込んでたら大変だもんな。
だからダンジョンを出たら帰りがけに買おうと思った訳さ。どうせなら、
「よし、なんとか倒せた……。それにしても、その下駄蹴りなかなかいいな
「えへへ、ママありがとう」
「まま、うちは?うちは?」
「
「えへへへへ。やったッ」
階を重ねる内に
でもそれを除けば、
って事は、一番弱いのは俺……だったりするのか?
「ママ、これなぁに?」
「ん?カチューシャ?あれ?カチューシャって、そんなひらひら付いてたっけか?」
「かちょしゃってなぁに?」
「それは頭に着けるモンさ。髪留めってヤツだな。貸してみろ、俺が付けてや……れないな。専用装備だもんな」
すちゃ
「こんな感じ?」
「そうそう、そんな感じだ。それなら速く動いても髪の毛が邪魔にならないだろ?」
「うん。これでもっと速く動ける!」
しゃしゃしゃッ
こうして俺達はその日の内に10階の課長も倒す事が出来ていた。で、お宝を無事にゲット出来た訳だが、確か
だが、
あれ?ところで
って、俺はスカートの中身に興味がある訳じゃないから勘違いすんなよ!そういうヤツがいると困ると思っただけだ!それ故の感想ってヤツだからな。
「ままの
「俺はまだ開けてねぇ。これから開けるさ」
俺は二人に急かされたのもあったが、ドキワクしながら10階の課長を倒したお宝箱を開ける事にした。
やっぱり、トリは最後になんか凄げぇのを期待するしな。まぁ、「
「えっと……出刃包丁……だな。今度は右利き用みてぇだが……ってそうじゃないだろ」
「わぁ!ママの包丁さっきのもカッコ良かったけど、今度のもカッコいい!!」
確かに今回の出刃包丁には刃紋がしっかりと付いていて……ってそうじゃない。そうじゃないんだよ。俺が欲しいのはコレじゃない。なんでこうなったんだろ……やっぱりガチョウなのか?ガチョウが悪いんだよな?そうだよな、うん。そうに決まってる!
要するに俺は二刀流になった訳なんだが、包丁の二刀流ってどうなの?そもそも俺は刃物類持っちゃいけないんじゃなかったっけ?
だから俺は次の15階のお宝に、一縷の望みを掛ける事にしたんだよ……。
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