第2深層-3

 まだ見ていなかったこっちのリビングに着いた。リビングはほとんど変わっていない――ただ一つの、扉以外。

 さっきのリビングにはなかった扉を開けると、台所に繋がっていた。

 冷蔵庫を開けてみる。赤い嫌な臭いがする物が詰められていて間髪入れずに閉めた。

「……」

 気を取り直して冷凍庫を見てみた。製氷皿だけがぽつんと置かれていて、それ以外の物はなにもない。

 ふと思いつき、製氷皿を取り出した。シンクに沈めてみようと流しの水を出そうと蛇口を捻った時――蛇口が破裂した。

「きゃっ!?」

 頭から水を被ってしまい、全身がびしょびしょになってしまった。

 破裂した蛇口は大きな音を立てながら水を噴き出し続けている。取り敢えずシンクの中に製氷皿を置いて、私の部屋へ向かった。




 男に注意しながら私の部屋に入る。残念ながら着替えはなかったので、クローゼットにあったタオルで服の上から身体を拭いた。しっかり水気が取れてから、再び台所へ向かった。

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