私はお妃さまを

ポピヨン村田

お妃さまと私

 お妃さま お妃さま。


 私の親愛なるお妃さま。


 娘時代に我が祖国の王に嫁いで、この国の母になると、そう仰ってくれたお妃さま。


 新たな地にひとり降り立ち、しかし異国の風と匂いを損なわず、幼く無垢で、それでいて誇らしく胸を張るその姿に、民はもう夢中でした。


 お妃さま お妃さま。


 私もそのひとりだったのです。


 旧家の長女として生まれ強く厳しく育てられたこの私が、身命を賭して仕えたいと望んだ、初めての方だったのです。

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