短編集
みかろめ
青春カウントダウン① 8月
暗い、暗い夜道。街灯も無い、本当の真っ暗。耳をすませばいろんな種類のカエルの鳴き声が聞こえてくる。グエッグエッとか、クルルッとか。
少し歩いて足を止める。生ぬるい風が頬を伝う。少し遅れて私の足元を懐中電灯の光が捕らえた。
「ふぅー、
光が揺れる。多分タオルで汗を拭いたんだと思う。私は答えず、いたずら心の赴くままに少し走った。また父の声が聞こえるけど足は止めない。
もともと父がダイエットを始めると言って始めた夜の散歩だったけど、気づいてみたら私の方がハマっていたのかもしれない。
誰もいない夜の道を、月明かりだけの道。その中を走るのはけっこう好きだ。父には分からないかもしれないけど、懐中電灯を持ってると虫たちと交通事故を起こしてしまう。
あと二週間も経てば鈴虫が鳴き始めるだろう。
私の中のこの時間は、いったい、あとどれくらい続けられるのだろう?
短編集 みかろめ @mikarome
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