第百十一話 合流
「護くーん。聞き込み終わったよ〜」
俺たちがもうひと段落聞き終えて、もう途中段階で出した案でいいでしょ。みたいな感じになっていたところで、向こうのほうから結笑が俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「俺たちの方も、もういいかなって思ってたところだったからちょうど良かったよ。それで、そっちは噂の聞き込みしてみてどうだった?」
こちらに駆け寄ってくる結笑に、本当にタイミングが良かったなと思いながら、俺は聞き込みの結果を聞こうとしたのだが、結笑が喋ろうとしたのを止める声があった。
「ちょっと、結笑。さっきの話詳しく教えてください。何ですか?女神様方が人の意識を変えられるって本当ですか?」
「あー。ちょっと待ってよ。今護くんと話そうと思ってたのに」
「俺は大丈夫だよ。最初にメアナに説明してあげたから?」
「えぇ〜」
結笑はめんどくさそうにしながらもメアナに説明を始める。俺はメアナの言葉で結笑たちの方が、どんな風だったのかあらかた予想はついた。
そういえば、女神様たちとの話ってメアナに伝えなかったっけ?今日の朝のとこを俺は思い出しながらそんな事を考える。いや、伝えてないか。
今日のことは話した気がするけど、女神様方との会談の内容はそんなに話してない。説明してないのに結笑と俺の会話の意味分かってたのかな?あれ?なんかおかしいな、とか思うでしょ。絶対。
「そんな事ができるんですか。これまでのことも考えると、あんな形でもやっぱりアイリス様とアテナ様は女神なんですね」
メアナは結笑からの言葉に少し納得するように返している。アイリスの意識操作は無意識って天照様の言ってたから、俺以外にも被害者がいたんだな。
まぁそんなことは置いといて、みんなで宿に帰ることにする。
「結笑たちの方の報告も聞きたいし、ここでも何だから宿に帰ろっか。一応聞くけど、結笑たちはギルドへの報告は終わってるんだよな」
「うん、バッチリ済ましてきたよ。ちゃんとお金もらったから、宿に後は帰るだけ」
「よし、じゃあ帰ろう」
「帰ろう!」
俺と真央の声に続いてみんなで、宿に帰り始める。帰る途中に昼に寄った串焼き屋を通る時があり、駄々っ子アイリス問題なども発生したが、今日は食べさせるわけにはいかないので、アイリス以外の欲しい人に買って帰る。
「酷いです〜。昼もだったですけど、何でこんなに見せびらかすように食べるんですか!しかも、いつもなら財布くれるのにくれないですし」
そりゃそうだ。財布なんか渡すわけないだろ。天照様から教えてもらった対処法は有効だったらしく、アイリスに聞いているのが目に見えたのでこれからも力を入れていこう。
そんなこんなありながら、俺たちは宿に帰ってきた。
ここまで帰ってきて、やっと本題だ。
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