第五話 結論から言います。


 結論、離れられませんでした。


 どうやら、主導権はあちらにあるらしい。こっちは、100メートルぐらい離れると動けなくなるのに対して、あっちが100メートルぐらい離れるとこっちの体が引っ張られるように動いてしまう。


 これは、伝えると絶対に調子に乗るので体が引っ張りはじめられた瞬間に、引き止めておきました。

 

 だが、なんでこんな事になってしまったのだろう。まぁ、100%アイリスのせいなんだろうけど。


 考えていても多分無駄なだけなので、俺は考えること放棄した。そして今は2人で森の中をさまよっている。


「ねぇー、ちょっと休憩しましょうよー。私、疲れました。もう、歩きたくありません」


「文句言ってないで歩け、元はと言えばお前のせいだろ。俺はまだ何も食べれてなくてお腹が空いているんだ」


 そう、俺たちは、こっちに来てから何も食べていない。さらに言うと何も飲めていないので、色々と限界が近いのである。


「あっ!こっちから水の音が聞こえますよ!まもるさん」


「マジか!よく気づいたな。行ってみよう」


「ふふん!もっと褒めてくれても良いんですよ」


「なに、ドヤってんだよ。本当にあったらそん時に褒めてやるよ」


 結論、、川がありました。


「すごいねー、よく見つけてくれたねー。とてもありがたいねー、いてくれてよかったよー」


「むっ、なんですか、その棒読みはもっと気持ちを込めて言ってくださいよ」


 なんか、言っているがほっといて、水が見つけれたのはよかった。このまま餓死みたいな事になったら、スキルであるはずの【不死身】がどう作用するかわかったものじゃない。


「ここで、休憩するぞ」


「やったー、休憩ですー」


 休憩すると言って、俺は川の周りを探索し始めた。すると、何かに食われたのだろうか。もう、人の形を保っていないものが転がっていた。


「やば、、。こんなんで俺、生活できんのかな。少し気はひけるがここにあるものは、ありがたく貰っておこう」


 俺は、それらと一緒にあった剣やナイフ、水筒などの日常に役立ちそうなものを拝借し、せめてもの報いとして人であっただろうものを土に埋めておいた。


 そして、拝借したものを持って帰ってみると、そこには見るも無残な事になっているアイリスと、クマの進化版みたいなものがいた。


「すみません、やられてしまいました。私の仇を討ってください」


 あの状態でしゃべれるのが凄いが、今は、置いておこう。


 俺は、勇気を振り絞ってクマの進化版のような相手にむかっていった、、、

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