第2話 僕の家族構成

 ……


 僕の父親。新居浜にいはま孝太郎は、自家用車での朝の通勤途中、自損事故でこの世から去ってしまった。

 まぁ、正式には僕が仕掛けたのだが!


 僕は、結花と孝太郎の間に生まれた子どもで有る。

 孝太郎は公務員の技術職で有り、職場での評判も良かったらしい。


 これは、後から話すことに成るが、僕は前世の記憶を持っている。

 僕は前世の記憶を持ったまま、結花のお腹から生まれた。


 体は赤ちゃんで有るが、前世の記憶や知力・知識を持っているチート状態だ。

 だが、僕がそのことに気付けたのは俗に言う、物心が付いた時からで有る。

 それまでは……普通の赤ちゃん・幼児時代を過ごしていた。


 当然、結花のことは前世から知っているし、僕は結花の子どもに成っても、結花が好きで有る。

 だが、前世の俺(僕)では“どうあがいても”結花と一緒になることは出来ないし、このような伝手つても本来は無かった……


 孝太郎は真面目で優しい父親で有ったが、僕以上に結花を愛していた。

 結花と孝太郎は高校生からの付き合いらしく、今時珍しい純愛結婚をした。


 ……


 孝太郎は早期に二人目の子どもを望んでいたが、結花はそうでは無かった。

 孝太郎は公務員では有るが、大学卒業後直ぐに結婚をしてしまったし、その頃にはもう、結花のお腹の中には“別の命”が宿っていた……


 そのような二人の生活状況から、僕が小学校高学年に上がるまで、結花は子どもを作らないと孝太郎に宣言していた。

 そして、三人での生活が、僕が小学校高学年に上がる直前まで続いた……


 ☆


 僕は前世の記憶を持っているし、知力・知識も持っていたから、僕は周囲から“ちやほや”されながら育ってきた。

 僕の出来の良さから、結花や孝太郎も鼻高々で有った。


 だが、前世の人生はクズ人生なので、小学校学年を無双することは難しかった。

 前世の学生時代は落ちこぼれで有るから、前世の知力を持っても、クラス一位に成るのは難しいし、運動神経に関してはこの両親のお陰で並に上がった。

 前世での運動神経は、てんでダメで有る…///


 そのため、小学校スクールカーストでも、僕はじょうの中に居ることが出来ている。


 孝太郎がイケメンなのと結花が美人で有るから、恋愛面でも良い思いが本来出来るのだが、僕は結花一筋で有る。

 僕は……結花の側に居たいから、非合法な方法でこの場所に居る。


 ……


 身体能力に関しては子どもの身体能力なので、子どもが出来ることしか出来ない。

 金づちで釘が打てることは知っていても、子どもの力では釘を満足に打てないように、僕はもどかしさを常に感じていた。

 ゲームの世界のように、身体能力までは現世に引き継がれなかった。


 結花への愛情だってそうだ。

 僕が結花を好きだと言っても結花は『ありがとね~~。日向君~~♥』と、笑顔で頭を撫でてお終いである。


 僕を異性では無く、子ども目線で見ている。

 僕が撫でで欲しいのは頭ではなく、僕の亀さんで有る!///


 だが、僕の体はまだ其処まで成長していないから、前世の記憶でそう感じている。

 結花は女性の盛りを過ぎてしまっているが、まだまだ、僕の中ではいける!!


 僕は前世の記憶や知力を持っていることを、周囲にはひた隠ししているが、結花への愛情は止められなかった……

 僕は成長につれて、結花へ過激な愛情を求め始めてしまう。


 普通に抱き付くだけから、結花の胸を触ったりと揉んだりと、体が成長するにつれて性本能が、段々と目覚めてくる。

 エロい知識も当然持っているが、第二次性徴以前は常に賢者タイムなので、性の喜びより愛情が優先される。


 初めの内は困った笑顔をしていた、結花や孝太郎で有るが、日増しに二人の表情が険しく成っていった。


 僕が成長するにつれて、特に孝太郎は僕に警戒し始めた。

 孝太郎の本能が、僕を敵と見始めたのだ!!


 僕が結花へ愛情を求めると、孝太郎は嫌悪感を示すように成ってきた。

 僕の現在身体能力では、孝太郎に勝てるわけがない。


 僕にとって、孝太郎は邪魔な存在でしかなかった。

 結花を愛するのは、僕だけで良い……

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