第556話 闇墜ち駄目絶体!
屋敷に入る前から色々あったけど、メイドさん達に『ハンドクリーム・リップクリーム・マドレーヌ』をワンセットにした、名付けて
『これからもどうぞ良しなにセット』をプレゼントしたら、一瞬で大歓迎だったよ。
くっ!
わざわざ勝負などしなくても最初からこっちを渡しておけば、、、
まぁチートに頼った信頼関係なんて、出来ればやらない方が良いだろう。
他にも瓶ビールやワイン、酒のおつまみ関係も大量に持って来てるから、後で厨房に持って行かないとな。
さてさて
これから俺は仕事の終わったレヴァティ様に呼ばれたから会いにいくんだけど、何故かアストレア様とアルテミスさんと3人で仲良く手を繋ぎながら向かっている。
両手に華で嬉しいんだけど、廊下ですれ違う使用人さん達から慈愛に満ちた表情で見られるから、超恥ずかしい(照)
まっ、俺が恥ずかしいくらいは、アルテミスさんの素敵な笑顔を見られれば、どうでもよくなるけどな!
コンコン
「・・・」
「あれ?返事がありませんね」
「うーん、仕事が終わったからって部屋に呼んだのは旦那様だし、入って構わないでしょ」
「おかあさんがそう言うなら遠慮無く」
ガチャっと、、、
むむっ?!
ドアを開けた途端、部屋の中から謎の闇が漏れ出て来たんですけどー!
しかも部屋の中央には闇墜ちしそうなほど暗い表情のレヴァティ様が居る。
どーすんのこれ?
「ふんっ!」
ドゴォッ!
「ごふっ?!」
うぉい!
アストレア様がレヴァティ様の顔に右フックを放って綺麗に決まっちゃったけど、大丈夫なのか?
「せっかくシンさんが来てくれたのに、旦那様は何をしているのですか?」
「えっ?ああ、そうだったすまない。しかしだな、先程メイドに聞いたんだが、屋敷の前で色々とあったのだろう?
そのような時に私は何故こんなくだらない仕事を優先していたのかと思うと、立ち直れん!」
待て待て待て!
伯爵の仕事はくだらなく無いですよぉー!
そして、アストレア様の放った右フックのダメージはほぼ無いのね。
「レヴァティ様、いえ!ここはあえて『おとうさん』と呼びます。」
「おとうさん?!そうかそうか、おとうさんかぁ♪
昔居た義理の息子から呼ばれた時は不快な思いしかしなかったが、おとうさんと呼ばれるのはこれほど嬉しい事なのだな♪」
おーい
アルテミスさんの元旦那、あんたはいったい何をしてんねん!
こんなに優しい夫婦を不快にさせるとか、なかなか出来へんぞ!
「えっと、おとうさん、将来生まれてくるかもしれない孫の為にも、俺は明るい表情の祖父に居て欲しいです!」
「孫?!そうか、、、アルテミスの子供を、、、ごの゛手で、、抱け、、、ぐふぅ゛ぅぅぅぅぅぅ(泣)」
あらら
レヴァティ様が綺麗な心の汗を流してしまった。
ただなぁ、これで子供が出来なかった時に、アルテミスさんが責任を感じてしまいそうなんだよな。
「アルテミスさんちょっと良いですか?」
「はい、何でしょう?」
「子作りは出来るだけ自然に任せるつもりなんですけど、今のおとうさんを見たら、最終手段として創造神様に頼むのは有りかなと」
「有りです!むしろ今すぐ頼んで貰っても構いません!」
おっ、おおっ(汗)
アルテミスさんの圧が凄い。
「頼まなくても既に創造神様から何らかの力を受けていて、子供が出来ないって事は無い?のかなぁって」
「神の祝福なら拒む理由は何もありません♪心配事があるとすれば、私はシンさんの第4夫人ですから、その、、、早めに順番が来るようにシンさんには頑張って頂く必要が、、、」
「あっ、はい、頑張ります(照)」
待たせるかどうかはメリル次第なんだけど、最近のメリルは成長著しいから、あまり待たせる事にはならないだろう。
おっと!
今回は予定が詰まってるから、家族団らんをゆっくり楽しんではいられないんだ。
心の汗を流しながらアストレア様に慰められてるレヴァティ様には悪いけど、やらなきゃいけない事をさっさと終わらせて貰おう!
つづく。
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