第509話 しば漬け

「いただきます」


「「「「「いただきまーす!」」」」」



セルジオのとっつぁんと料理人さん達に手伝って貰い、あっという間にしば漬けを使った料理が完成したので、休憩中のメイドさんも一緒に皆で試食タイムだ♪


タマゴサンド


ポテトサラダ


サラダ巻き寿司


稲荷寿司


以上、全部の料理にしば漬けをたっぷり使った本日限りの特別メニューだ。



料理を作るのは問題無かったけど、料理を作ってる最中がマジで大変だったよ(疲)


料理を作るだけなのに、何故か怒声に罵声に殴り合う音が鳴り響き、料理人さんが何度も宙を舞うんだもの


そんな事をしながらも、普通に料理を作ってしまうアリエス辺境伯家の料理人さん達はめっちゃ優秀だと思う。


ただなぁ


大人しく静かに料理を作ればもっと早く作れるのに、と思わなくも無いけれど、独特なノリと勢いは好きだから、あえて注意はしないでおく!



しば漬けを使った料理で個人的な自信作はサラダ巻き寿司だな。


中の具材は『しば漬け・たまご焼き・ツナマヨ・アボカド』


キュウリの変わりにしば漬けを使ってみたけど、これがなかなかに旨い!



他のメニューも概ね美味しく出来たと思うけど、ポテトサラダだけは、うーん、、、なんだかなぁ


昔料理番組で見た事あるような気がしたから作ってはみたものの、ポテトサラダに『しば漬け』は入れなくても良いかなって感じがする。


まぁ皆さんバクバク食べてくれているから、俺の好みの問題だろう。



「ナガクラ様お待たせし、、、ふむふむ、何やら楽しそうな事になってますね。」


「あっ、ケーニッヒさんお疲れ様です。セルジオ料理長が作った『しば漬け』を使った料理の試食中なんです。良ければケーニッヒさんも一緒にどうですか?」


「喜んで♪」


「そしたら、タマゴサンドをどうぞ。コーヒーとの相性も良いですよ。」



ケーニッヒさんは前回俺が持って来たコーヒーを飲んで以来、コーヒーの虜になったコーヒー好きにの渋いオジさんだ。



「では、いただきます。あんっ、もぐもぐもぐもぐ、、ほぉほぉ、卵もナガクラ様の手にかかると別次元の美味しさになりますな♪

それに、セルジオ料理長が作っていた怪しげな赤紫色の食べ物も、酸味とポリポリとした食感がとても楽しいです。」



タマゴサンドに使ったタルタルソースには刻んだしば漬けを入れてある。


揚げ物メニューが豊富な定食屋さんとか居酒屋だと、色んな具材を入れた自家製オリジナルタルタルソースを置いてる店も珍しく無いから、今回はそれを真似してみた。



「おいおいケーニッヒさん、怪しげな食べ物っつぅのは酷くねぇーかい?」


「失礼しました。しかし、ナガクラ様が来る昨日までは、積極的に食べていたのは料理人だけでしたよね?」


「それをナガクラ様の前で言うんじゃねーぇーよ。これでも気にして落ち込んでたんだからよ」



へぇー


とっつぁんもそういうの気にして落ち込むのかぁ


ガシッ!


「ナガクラ様!」



むむっ?!


メイドさんのひとりにガシッと手を握られて熱い視線を向けられているけれど、結婚したからそういうのは勘弁して頂きたい。



「えっと、なんでしょう?」


「新たな料理を作って頂きありがとうございます。メイドを代表して御礼申し上げます。」


「普段から我が家で食べてる料理に少しアレンジを加えただけですから、大層な料理では無いですけどね」


「アレンジを?という事は、サラダ巻き寿司には他にも種類があるのでしょうか?」


「そうですね、基本的には好きな具材を入れて貰えれば大丈夫です。パプリカ・バジル・トマトも良いですし、スモークサーモン・クリームチーズ・レタスの組み合わせも良いですね♪」


「そっ、そんなに沢山・・・」



あれ?


メイドさんに喜んで貰えるかと思ったら、何がショックだったのかフリーズしてしまった。


もしかして入れる具材が多過ぎて、食費の予算オーバーで作れないとか?



「あの、大丈夫ですか?具材が多い場合は減らしても良いですから」


「やったぁー!」


「「「「「肉以外のメニューが増えたぁー♪」」」」」



わぁお!!


メイドさん全員大喜びやん(笑)


まぁ前回俺が来るまで、毎回ほぼ肉だけの食事だったらしいからな


ここの料理人さん達には簡単な料理は教えたけど、一朝一夕で直ぐに食事メニューが増えるなんて都合良くは行かないか


メイドさん達の笑顔の為にも


新メニューを頑張って考えますか!






つづく。

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