第484話 おにぎり祭り♪

「ねぇシンさん、さっきから何種類も料理を作ってるみたいだけど、料理対決は1品勝負よ?」


「問題ありませんよアストレア様。勝負に関係無く夜食を作ってるだけですから。よければ『梅おかかおにぎり』食べます?」


「じゃあ頂こうかしら、あーんっ、モグモグ、、あら美味しい♪酸味と米ってこんなに合うのね♪」



さてと


どんどんおにぎりを作って行くぜ!


鮭、ツナマヨ、昆布、おかか等々の定番の具の他には


焼きサバ、梅おかか、スパムタマゴ、クリームチーズタクアン、じゃこ高菜


他にも変わり種で


お茶漬けの素を混ぜただけの『お茶漬けおにぎり』


ケチャップライスを薄焼き卵で巻いた『オムライスおにぎり』


ドライカレーに福神漬けを具として入れた『ドライカレーおにぎり』



ふぅー(汗)


テンション上がってちょっと作り過ぎた感じはするけど、人数の増えた我が家なら即完食だろう(笑)



「ねぇナガクラ君、タマゴで巻いてあるやつ美味しそうだなぁ♪」


「それはオムライスおにぎりですね。食べても良いですけど1個だけですからねステフ様!」


「はーい、いただきまーす。あーんっ、、ふふふ、思った通り美味しいなぁ♪」



無邪気にオムライスおにぎりを食べるステフ様を見てると凄い和むけど、あんな感じでも泣く子も黙る王国十二家、アリエス辺境伯家の当主なんだもんなぁ


人は見た目で判断出来ないっていうお手本みたいな人だよ。




そろそろ制限時間の30分だと思うんだけど


むむっ?!


部屋の隅が闇に覆われて見えるのは気のせいか?


しかもその闇の中心でグロリアさんが体育座りしているんだが、あれはいったい、、、



「あの、アストレア様、グロリアさんは体調でも悪いんですか?」


「体調は問題無いでしょうけど、よほどショックだったのねぇ」


「ショック?火加減をミスって焦がしたんですか?初めての場所だとよくあるミスですよね」


「うーん、違うんだけど、まぁシンさんだしねぇ(笑)」



おぅふ


まただよ、この展開は既に何回も経験してるから驚かないけど、なんだかなぁ



「えっと、料理対決はするんですよね?」


「シンさんの勝ちで良いんじゃないかしら?グロリアもかなり試行錯誤して米に味噌を塗って炙る料理を考えたのに、それを越える料理をこんなに作られちゃうと、ねぇ?

私もシンさんなら2つや3つくらいは何か作るだろうと考えての料理対決だったんだけど、完全に想定外だったわ、あはははは♪」



笑ってる場合とちゃいますよアストレア様、誰がグロリアさんを元気付けると思ってるんですか?


俺だよ!



「旦那様!このウナギの白焼きは至高の味だと報告します♪」



ニィナが笑顔で戻って来たという事は、クレアさんが上手にウナギを焼いたという事だろう。


ただニィナが持ってる皿には白焼きが4切れと、茶色いおにぎりが1個しか無いんだが



「なぁニィナ、ウナギ少なくない?」


「焼き加減が分からず途中で試食しながらでしたのでその結果です。残り少なくなったウナギはお母さんの提案で『ひつまぶしおにぎり』という料理になりました。」



あぁ~


ウナギは『串打ち3年、裂き8年、焼き一生』


とか言われるくらい技術の習得が難しいらしいからなぁ、初見でここまでやれたのが奇跡に近いのかもしれない


これは後でクレアさんに特別ボーナスを支給しないとな。


とりあえず


ウナギ、、、じゃなくってクムクムの白焼きを持って、今にも闇墜ちしそうなグロリアさんを元気付けなければ!



「グロリアさーん、クムクムの白焼きですよ~、ワサビと醤油を付けて、はい口開けて~、あーん」


「あー」


「ほいっと」


「モグモグ、、、」


「ここで『ピスケ酒』をクイッと飲んで!」


「んぐんぐ、、、くぅーー!旨ぁ~い♪」



ほっ


闇墜ちしそうだったグロリアさんも無事にこちら側に戻って来たからなのか、覆われていた闇も綺麗に晴れたよ


それと引き換えに白焼きは完食されてしまったけど、グロリアさんのチャーミングな笑顔が見れたから問題無し♪






つづく。

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