第399話 控え室
朝、目が覚めると
あれ?
おかしいな
何故俺は真っ白なタキシードを着て1人で椅子に座っているんだ?
俺は我が家のキッチンでクッキーを作っていたと思うんだよ
ふるまい酒ならぬ、ふるまいクッキーとして結婚式当日に街の人達に無料で配るから、とにかく大量に作って焼き上がる毎に収納に入れる作業を無心でしていたはずなんだ。
我が家に遊びに来ていたステフ様がクッキーを見て味見をしたいと言ったけど、街の人達に配るクッキーだからと断ったら
ステフ様、ケイト、スミレ、ヨウコさんの4人で試食をさせろとぶーぶー言い始めちゃって、、、
我が家に新たな腹ぺこ娘(仮)が追加された瞬間だったよ
まぁ仲良くウチのお母さんに怒られていたけどな(笑)
「、、、人様、、、起きて、、、ご主人様!」
「はっ?!、、、カスミ!じゃあ今までのは夢オチ、、、なわけないやん!」
「ご主人様、大丈夫ですか?」
「大丈夫や、ちょっと寝ぼけてただけやから」
「しょれなりゃ良かったれしゅ♪もう少しでメリルさんの準備が整うそうです。」
「あいよ~」
ふふっ
カスミのほっぺをむにむにしてみるけど、今日もスベスベやな♪
昨夜は緊張して全然寝れなかったから、教会の控え室で待っている間につい寝てしまっていたらしい
そして見ていた夢の中でも結婚式当日だったようだけど、異世界小説でたまにある夢オチなどでは無い!
今日は正真正銘、俺とメリルの結婚式当日だ♪
そして俺は結婚式会場となる教会の控え室で、真っ白なタキシードを着てメリルの準備が整うのを待っている
蝶ネクタイなんて初めて付けたけど、なかなか恥ずかしい物だな(照)
『ガチャ』
「ご主人さま~♪」
「スミレ~、えらい可愛いなったなぁ♪」
ふふっ
控え室に入って来たスミレはよそ行きの綺麗な服を着て、髪の毛にはリボンまで付けてまさに天使やな!
「ダンナァ~、お嬢の準備が出来たよぉ♪」
ケイトに続いて控え室に入って来たのは、純白のウェディングドレスを着た女神、、、じゃなくってメリルだ!
「おにいちゃん、どっ、どうかな?」
「最高に似合ってて世界で1番美人や!」
「ありがと(照)」
うん!
間違い無くメリルが世界で1番美人だ!
メリルに見惚れてスルーしてしまったけど、ケイトも今日はドレスを着ていてとても可愛くなっている
以前俺があげたシルバーのギターが付いたヘアピンがとても良く似合ってるじゃあないか♪
カスミ、コニー、フラニーは地味めなドレスながらもひたすら可愛いし
ヨウコさんとお母さんは着物かぁ、一応地味な色をチョイスしているとはいえ着物姿はメリルより目立つんじゃなかろうか?
だからと言ってドレスはなんか違う気がするし
そもそも平民の結婚式に貴族が何人も出席するのに、服装くらい些細なことだよ
あれ?
そういえばニィナが居ないけど何処に行ったんだろう
「ねぇお母さん、ニィナが居ないんだけど」
「もう!ニィナちゃんそんな所で何してるの!」
「いや、あの、お母さん、私はここで構いませんから(汗)」
「駄目よ、ちゃんと見て貰わなくっちゃ♪」
なんか控え室の外でお母さんとニィナが揉めてるんだけ、、、ど?!
ゆっくりと控え室に入って来たニィナのあの姿はどういう意味なんだろう、、、
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。