第391話 話して無いだけの事を『秘密』と勘違いしてる事ってあるよね。

ゲオルグ様とステフ様がヨウコさんの正体に気付いている可能性が出て来て、ここで誤魔化してもそのうちバレる気がするので


ヨウコさんさえ良ければ正体を明かしてみようと思う。



「ヨウコさんは自分のプライベートな事は隠しておきたいタイプですか?」


「プライベートな事が私が住んでた場所とか諸々の事を言うてはるのなら、そもそも隠して無いんですけどね。どちらかというともっと皆様に知って貰って参拝に来て欲しいなぁって」


「えっ?!そうだとするとあまりにも知られてなさ過ぎでは?」


「皆様には自主的に来て欲しいというのが1番ですし、我々の立場でのお願いはほぼ強制と同義ですからアノ御方がお怒りになります(汗)」



あぁ~、強制とかしたら創造神様はブチキレて色んな物が灰となってこの世から消えて無くなりそうだもんなぁ(汗)


お陰でヨウコさんや神獣の事情は分かった!



「それでは改めてヨウコさんを紹介する前に、ゲオルグ様とステフ様は魔物の本に書かれている『unknown』は知ってますか?」


「勿論知っているぞ、王国十二家や侯爵以上の貴族は国王命令で1度は調査隊を送っているからな」


「私は国王命令以外でも2度調査隊を送ったけど、分かったのは強力な結界があって入れないって事だけだね」


「そうですか、ちなみにガーデンシティとキャラバンシティの中間にある山はどうですか?」


「まさにその山に2度調査隊を送った訳だけど、、、」


「「まさか?!」」



「おそらく2人の予想通りです。ヨウコさん自己紹介して貰えますか?」


「はい、私は稲荷神社に住む狐の神獣で名をヨウコと申します。規則により神社の周辺には結界を張っていますけど、結界を突破するのは自由ですからいつでも歓迎しますよ♪今はナガクラ様の所でお世話になってますから、向こうは下働きの者しか居ませんけど」


「「・・・」」



「ねぇゲオルグ様」


「どうしたステフ殿」


「ナガクラ君って昔からこんな感じなの?」


「ワシもまだ1年ほどの付き合いだが、まぁ概ねこのような感じだな。今回は質問に答えてくれそうな本人?が居るからな、突然見たことも無い家を出したり魔力を使わない謎の道具を出されるよりはマシだろう。」


「そっか、人に化けてる高ランクの魔物とかじゃなかったし、これで心置き無くお酒が飲めるよ♪」


「まったくだ、ヨウコさんもニィナさんも改めて乾杯といこうではないか♪」


「「喜んで♪」」



あれれー?


なんだかとっても腑に落ちないのは俺だけだろうか?


ゲオルグ様もステフ様も、ヨウコさんは神獣なんですけどー


創造神様に1番近い凄い存在なんだから、もっと違うリアクションがありますやん



「主様、乾杯用のお酒を出して下さい。日本酒の純米大吟醸を希望しますが、無理なら12年物のシングルモルトウィスキー『白○』でも良いかと」



ニィナさん、この前お酒のカタログを見せたからってそこからの知識をさっそく出さないで欲しい


そして12年物の『○洲』は勘弁して下さい。


あれはマジで高いんですよ


今の俺なら余裕で買える値段だけど、スコッチやバーボンの違いもイマイチ分からない人が飲むには勿体無いんだ。


とは言え乾杯用の酒は必要だから、お正月に飲もうとストックしていた日本酒を出すか


元世界だと希少過ぎてほとんど市場に出回らない幻と言われている日本酒だ♪



「それでは、、、えっと何に乾杯するんですか?」


「シン殿の言うところの創造神様に、で良いだろう。ヨウコさんという素敵なレディとの出逢いに、でも良いが」


「嬉しいお言葉ですけど創造神様を優先して頂けると」


「あははは、神獣だから神様を優先しないと色々と不味いよねぇ」



(美味しそうやなぁ、焼き鳥、焼き鳥、焼き鳥、軍艦巻き、刺身、軍艦巻き、焼き鳥、刺身、刺身、焼き鳥)



ちーちゃんさーん


俺の頭の中にちーちゃんさんの心の声がだだ漏れしてますよぉー!


そして多分だけど、ヨウコさんの頭の中にもちーちゃんさんの声が聞こえているんだろうな、もしくは創造神様と両方かもしれないけど(笑)


急にヨウコさんが焦った表情をして俺の方をチラチラ見てるんだもの


心配しなくても焼き鳥も刺身も軍艦巻きもちゃんとお供えしますから(笑)


とにもかくにも、今夜は皆で幻の日本酒を堪能しますかね♪






つづく。

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