第361話 お昼ご飯となんやかんや
「いただきます」
「「「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」」」
『ボフン』
あらら
空腹のせいなのか狐耳と尻尾が出ちゃってたヨウコさんが、いなり寿司を食べてもふもふキツネバージョンになってしまった
見た目が可愛いから良いんだけど、人型の維持は意外とエネルギーを使うのかもしれん
「ヨウコさん、いなり寿司はどうですか?」
「とっても美味しいです♪きつねうどんと双璧を成すと言われるのも納得です!」
俺も混ぜご飯風の酢飯が入ったいなり寿司は初めて食べたけど、めっちゃ美味しい♪
ウチのお母さんが作ったから特別美味しいっていうのはあるだろう
ただなぁ、ヨウコさんにコニーとフラニーもそうだけど我が家の料理を食べて、これが人族の普通だと思われるのは困る
俺は困らないけど我が家と池田屋商会以外では何も食べられなくなってしまう可能性がある
新しく眠れる森から研修生も来る予定があるとか聞くし、我が家と池田屋商会で提供出来る食事量にも限界がある
だからエルフ族には早く我が家の料理を習得して欲しいんだけど
コニーとフラニーはパン作りに特化しちゃってるし、ウェンディさんはなんやかんやで忙しいし里に帰る気も無さそうだし
ミリーさんも居るけど、、、
ここは大人の対応で触れないでおこう。
やはり眠れる森から料理人志望のエルフに来て貰って教えるのが1番か?
色々考えてたら俺はここでのんびりしてる場合じゃ無かったよ、旅に出て留守にしていたからやる事がいっぱいなんだ
ご飯も食べたしここで働いてる狐耳獣人さん達に持って来た差し入れも渡したし、さっさと戻らねば!
「みんなー、ご飯食べたから帰るぞぉー!」
「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」
「みんなに言い忘れてたけどメリルと結婚するから、じゃあヨウコさん転移魔法をお願いします。」
「ちょちょちょちょ、ちょっと待ったダンナ!そういうのはついでに言う事じゃ無いだろ!」
「結婚したからって今までと変わらないんだから良いんじゃね?」
「そうだよケイト、今大事なのはお弁当屋さんの計画だから!」
「えぇー?!お嬢とダンナがそう言うならそうなんだろうけど、大商会の会長が結婚するのにこんな感じで良いのかなぁ?」
ケイトの言う事も分かるけど、俺はそもそもこの世界の結婚を知らんからな(笑)
何処の誰が決めたかも分からん『慣例』とか『伝統』とか『マナー』とか、そんなもんに縛られて何かをするのは超絶拒否だ!
でもここに居るメンバーで納得出来て無いのがケイトだけってのがちょっと笑ってしまう
みんな『おめでとう』っていう表情や雰囲気を出しつつも、それ以上のリアクションは無い
ニィナ、カスミ、スミレはこれからも俺とずっと一緒だから何も変わらんし
ウェンディさん、コニー、フラニーはそもそも種族が違うからこの辺りの感覚は分からん
お母さんは、、、まぁお母さんだから(笑)
となると、ケイトだけちょっと立場が違うと言えなくも無い、また仲間外れとか言い出さないか心配になるよ
「はいはい、2人が決めた事なんだからケイトちゃんは悩まなくて大丈夫よ」
「は~い」
おおっ!
さすが我が家のお母さん、一気に解決してしまった(笑)
「シンさんも仕事があるみたいだし、私も結婚式に着るみんなのドレスを作らないといけないからそろそろ帰りましょうか、ヨウコちゃんお願いね」
「お任せ下さい!それでは行きま~す」
はい!
音も無く一瞬で我が家に帰って来たよ
まったく恐ろしいほどの便利チート能力なんだもんなぁ
こういう便利能力
俺は大好きだけどな!
さてさて
色々やる事はあるけれど、お土産を渡さないといけないから最初はガゼル親方の工房に
れっつらごー♪
つづく。
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