第251話 夏満喫中♪ その2

「総員構えー!」



「お待たせ~♪」


「今だ!投げろー、ふんっ!」


「やぁー♪」「えい!」「とう!」


「うわっ?!『バシャ!バシャバシャバシャ!』」



「わはははは!どうだ我が軍の最新兵器、水風船の威力は♪」


「ぺっ、ぺっ、やったなぁ!えぇーと、ここを持ってと、、、」


「あっ?!、、、ちょちょ、ちょっと待てケイト!停戦を要求、、降伏するからちょっと待ってー(汗)」


「降伏は受け入れられないよ、ダ・ン・ナ♪よいしょっと」


「あー!」「きゃははは♪」「わぁー♪」「やられる~(笑)」


『バッシャーーン!!』






王国歴XXX年○月○日、午前△△時



ナガクラ家裏庭に設置されたテント内で水着に着替える目標に対し


ナガクラ隊4名に攻撃命令が下る。


テントから出た目標に対して、ナガクラ隊4名は最新兵器水風船を投射、目標に直撃するも沈黙させるに至らず。


この時点で、隊長シン・ナガクラは降伏を試みたと思われるが詳細不明。


ナガクラ隊4名の奮戦虚しく、2メートル級家庭用プール『ふろ』を目標によって持ち上げられひっくり返されて轟沈を確認。


裏庭が水浸しになった事で戦闘終了。



『第1次夏の裏庭プール大戦』はケイト殿の大勝利によって幕を閉じる。

《ナガクラ家記より。著、ニィナ。》





「あははは、どうだまいったか♪」


「ああ降参だよ。またプールに水入れるから今度は普通に楽しもうぜ」



我が家の裏庭にプールを出して、スミレ、コニー、フラニーと一緒に遊んでいた所


後から来たケイトが裏庭で全裸になってプールに入ろうとした為、ちょっとした罰といたずら心から、みんなで水風船をぶつけてみたのだが


まさか俺達4人ごとプールをひっくり返すとは思わんかった


お陰でみんなドロドロだよ、楽しかったから良いけど



「みんな泥を落とすから並べ~」


「「「はぁ~い」」」


『サーーーーーーーーー』



「虹だぁ♪」



良いねぇ、たまにレベルが上がってるお陰なのか、指先からシャワーみたいに水を出せるようになったんだ♪


もしかしたら他の魔法も違う使い方が出来るのかもしれん



おっ?


朝食の後片付けが終わったのか、裏庭の隅でニィナが優雅にお茶を飲みながら微笑ましくこちらを見てるけど


ニィナっていつの間にか保護者ポジションに収まってしまったな(笑)



「おーい、ニィナも座ってないで一緒にプール入ろうぜ~」


「喜んで♪」



ニィナはこういう遊びはそんなに好きじゃないと思ってたけど、思いのほか嬉しそうだけどこれは、、、



「えぇーとニィナさん、水着は俺が用意するから、下着を脱ぐ前にこっちのテントで着替えて貰えますか?」


「主様に隠すような事はなにひとつありませんが」


「あぁ、うん、勿論そうなんだろうけど、せっかくだから水着姿のニィナが見たいなぁ~」


「そういう事であれば着替えて参ります♪」



まったく


あれは天然でやってるのか、笑いの『ボケ』としてやってるのか判断が難しいなぁ



「あははは、ダンナも大変だねぇ」


「この程度は大変な内に入らないから良いよ。それよりもうプールひっくり返すなよ、これ以上裏庭を水浸しにするとお母さんに怒られる(汗)」


「え゛っ?!そっ、それは駄目だね」



「主様、お待たせ致しました。水着似合っているでしょうか?」


「よく似合ってるよ♪」



うん!水着を着たニィナはいつもとあまり変わらんな


何故ならニィナに渡したのはビキニの水着だけど、ラッシュガードも渡したから


Tシャツにショートパンツ着てる時と見た目はほぼ同じなんだもの



だがしかし、好きな女性の笑顔が見れさえすれば、いつだってテンションが限界突破するのが、男って奴なのさ。



この限界突破したテンションはどうしようか


よし!


スキルの「店」から1度に百個作れる水風船を、ポチッとな


プールに入って寛いでいるケイトとニィナにバレないように、大量に水風船を作って

スミレ、コニー、フラニーに持たせてと



「ふはははは!ケイトよ本当の戦いはこれからだ、みんな投げろー♪ふんっ、ふんっ」


『パシャ、パシャ』


おぅふ(悲)


油断してると思ったのに2個とも綺麗に避けられてしまった


あれれ?2個?


俺以外の水風船はどうした?!



「ふっふっふっ、ダンナは既に孤立無援だよ♪」


なんだと!いつの間にかプールの後ろに隠れていたスミレ、コニー、フラニーが水風船を持って俺に狙いを定めている


あぁー?!


スミレ止めろ!


ケイトとニィナに水風船を渡すんじゃあない(汗)



万事休す、こうなれば


「プランC発動、戦略的撤退!スタコラサッサ~♪」


「ダンナが逃げた!追撃~♪」


「「「「待てぇ~♪」」」」





こうして後に『裏庭水風船の乱・夏』と呼ばれる戦いは


お昼ご飯までの約3時間続く事になるのだが


そのおはなしは


いずれどこかで。






つづく。

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