第239話 地下室の秘密?
「さーいーしょーの、いっぽーん!」
「「「「「ウォーーー!!」」」」」
「「「「「ウォ!ウォ!ウォ!ウォ!」」」」」
『ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!』
「「「「「ウォ!ウォ!ウォ!ウォ!」」」」」
『ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!』
掛け声と共に足を踏み鳴らすのがドワーフ流の盛り上がり方♪
初めて見た時は迫力の凄さに圧倒されたけど、3回目となるとさすがに慣れたよ。
雨季も終わり久しぶりに雲ひとつなく綺麗に晴れた青空の下で、今日はドワーフの皆さんと池田屋商会従業員一同で、未来への希望畑にウィスキー用に作物の苗を植えている
俺はウィスキーと言えば大麦だと思ってたんだけど、どうやらウィスキーは他の穀物からも出来るらしい事が判明
なので色々と植える事になったんだけど、ついでにビール用にホップも植えてみる事にした
昔飲んだ地ビールが凄く旨くて憧れてたんだよ
ピルスナーとかペールエールとか種類がめっちゃあるんだけど、いつものように詳しい資料を渡してオリビエさんにお任せだけどな(笑)
ちなみにオリビエさんは今から100年熟成させたウィスキーを楽しみにしている
人族の俺では飲む事は無理だろうし気の遠くなるような楽しみだけど
エルフに次ぐ長命種族のドワーフにとっては、数十年~百年単位の楽しみというのは結構大事らしい、長く生きるとどうしても刺激が無くなってヤル気が失せて来るから
酒造りのような長いスパンの楽しみは性格的にも合っているんだとか
「シンさーん!」
「オリビエさんお疲れ様です。」
「ふふっ、疲れなんてまったく無いわよ、今日が我々ドワーフにとって歴史的な一歩を踏み出した記念すべき日なのよ、嬉し過ぎて疲れてる暇なんか無いんだから♪
午後からは雨季の間に仕込んでおいたワインを地下室に運ぶから、3番の出入口付近は空けておいて
それじゃあ私はまだまだやる事があるから失礼するわね」
相変わらず酒の事となると気合いの入りかたが違うねぇ(笑)
だけどちょっと待てよ、3番の出入口って何?
ワインを保存するのは製麺所の地下室のはず、あそこは製麺所の階段からしか行けないと思うんだけど3番って何?
俺は近くにいたメリルとニィナに何か知ってるか?と質問するように顔を見るけど
どうやら2人も知らないみたいだ、こうなると実際見て確かめるしかない
製麺所の地下室にれっつらごー!
みんなでやって来ました製麺所の地下室、、、っていうか
「なんじゃこりゃーーー!!」
「あはははは、なんか新しいダンジョンみたいだね♪」
ケイトは今俺達の目の前にある壁を見て爆笑しているけど、デカデカと『3』と書かれた壁、果たしてこれは、、、
製麺所の地下室はドワーフの秘技を使って、製麺所、教会、こども園の敷地の地下に作られていて、とても広い
その広い空間を幾つかの部屋に仕切っているので、今まで気付かなかったのは仕方無いだろう
当然地下室は関係者以外立ち入り禁止だけど、メンテナンスの為に何回かオリビエさんも地下室に来ているからその時に作られたと思われる
地下室の1番奥にデカデカと『3』と書かれた壁、よく見ると隙間があって動きそうだから、これはもしや秘密メカ3号機の格納庫か?!
とまあ冗談はさておき、ここに来るまでに『1』と『2』の壁もあったから、これがオリビエさんの言ってた3番の出入口だろう
って事はこの壁の向こうは通路になってんのか?
だとしたら、どんだけ大掛かりな工事してんねん!
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
あっ?!
突如壁が動き出し向こう側が見えると、そこにいたのはオリビエさん、そしてその後ろにはワイン樽を載せたリヤカーが列を作って並んでいる
「あら?みんなでお出迎えしてくれて嬉しいわ♪」
「ええまあ、ワインが気になったのもありますけど、この通路はいったい」
「言ってなかったかしら?見ての通り搬入口よ、3番はお酒の製造所の近くで、1番と2番はそれぞれ南門と東門の近くに繋がってるから便利でしょ♪」
「そうですね、アハハ」
「それじゃあ皆、運び込んで頂戴!」
「「「「「おー!!」」」」」
うーむ
運び込まれたワイン樽は全部で100樽、約20トンくらいか?
これが多いのか少ないのか全然分からんけど樽がズラッと並ぶ光景は圧巻だな
でもこれって、来年からは少なくとも今の数倍~数十倍の量が造られる予定なんだよな、しかもウィスキーも加わるし
地下室のスペースに限りがあるから、ある程度で造る量は落ち着くだろうけど
これはあれやな
いつもの考えたらあかんやつー!
むしろ考えたらあかんテンプレですね、了解でーす。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。