第237話 雨季9日目
《雨季9日目》
朝、目が覚めると
『ザーーーーーーーーーーーー』
今日は朝から雨か
そして安定のジメジメ感が辛い
隣で寝ているスミレを見ると、湿気のせいで毛がふもふもだし、へにゃっとしてしまっている(悲)
雨季の最初の頃は元気が無かったスミレも慣れて来たのか、毛がへにゃっとしていてもいつも通り元気だから良かった♪
さてと
俺は寝ているみんなを起こさないように部屋の隅に行き無線機の前に座る
今日は浮島に居るゴーレムのゴレさんと定期連絡をする日なんだ♪
パチン、と無線機のスイッチを入れたら
「あー、あー、定期連絡、定期連絡。ゴレさん聞こえるー?」
「ピーーーーガガッ、ガッ、、、ツートンツー、ツーツーツー、ツーツーツーツー、トントン、ツーツーツー」
おっ、来たか!
未だに全部のモールス信号を覚えて無いけど、さすがにコレは覚えたよ
『ワ』『レ』『コ』『″』『レ』『我ゴレ』となる
「ゴレさんおはよう元気ぃー?」
「ツートントントン、トンツー」
『ハ』『イ』どうやらゴレさんは変わらず元気みたいだ。
「おーい、ナガクラ君聞こえてるかな?」
むむっ!
無線機から聞こえるこの声は、、、
「えっと、ドラゴンさん?」
「そうだよぉ、ゴレさんは人語を話せないからボクが代わりに話した方が早いでしょ?それにボクもナガクラ君と話したかったしね」
「まぁいつもゴレさんとは元気かどうかを確認するくらいなんですけどね(笑)そっちは今どの辺を飛んでるんですか?」
「うーんと、ナガクラ君の居る所から東の方の海の上かな、ゴレさんが茶葉の栽培をしたいって言うから適した環境を探して飛んで来たんだよ」
「へぇ~、ゴレさんの趣味なんですかね?」
「まぁそんなところかな。ゴレさんが秋にそっちに行く時には収穫出来てるから持って行くってさ」
「それは楽しみだなぁ♪ゴレさんありがとう」
ゴレさんが茶葉をねぇ、摘み取った茶葉は紅茶にするのかな?それとも緑茶か?
まぁそれも含めて楽しみにしておくか♪
「それからボクも女神様に頼んで人化の魔法を教えて貰ったから特訓中なんだぁ♪秋に間に合うかは分からないけど、楽しみにしててねぇ~」
「あっ、はい、そうですか、楽しみにしてますね」
やっぱりドラゴンさんこっちに来ちゃうのかぁ~
人の姿になって来るなら問題無いとは思うけど、くしゃみしてうっかりドラゴンブレスを吐いたりしないだろうな?
何せ相手は神獣だからな、『お漏ら火』程度でも街が消し飛ぶ可能性は充分にある!
後でフェンリルのリリーに相談に乗って貰おう。
「ナガクラく~ん、人化の特訓で忙しいからそろそろ定期連絡を終わるねぇ~、バイバーイ」
「さようなら~」
秋に向けて色々と心配事は多いけど、その前にやって来る夏はイベントが盛り沢山の予定だから
俺は超忙しいんだ!
「にゅ~、、、ごしゅじんしゃま、おは洋ナシタルトごじゃいましゅ、むにゃむにゃ、、、」
「はい、スミレおはよう♪」
ふふっ
スミレは今朝も安定の寝惚け具合だけど、洋ナシのタルトが食べたいのかな?
「主様、おはようございます!」
「ニィナおはよう」
「私はカボチャのタルトが食べたいです!」
「待て待て待て!寝起きでいきなりタルトの話をするんじゃあ無い」
「そうですか、洋ナシのタルトは良くてもカボチャのタルトは駄目なのですね(悲)」
うーむ
何故かニィナの機嫌が悪い(汗)
原因は、、、
雨季のせいだろうなぁ、明日で雨季も終わるとはいえ我が家のみんなは湿気とか家の外に出られないとかでウンザリしてるからな
となると
ここは我が家のみんなの為に、懐かしの高級アイス『ビエネ○タ』を朝食に出そう♪
俺がガキの頃はマジで高級だったから滅多に食べられなかったんだよなぁ(笑)
「みんな朝だぞ~、朝食には特別に俺の能力で出した高級アイスを付けるから早く起き」「「「「「は~い♪」」」」」
寝惚けてたスミレと起きてるニィナは分かるとして、メリル、カスミ、ケイトは起きてるなら早く言いなさいよ!
しかもいつもはなかなか起きないケイトまでちゃんと起きてるし
高級アイスにみんな釣られ過ぎぃー!
まっ
みんなの笑顔が見れたから何の問題も無いけどな♪
つづく。
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