第201話 お供えと思惑と創造神様と
今日は急にアストレア様からお願いされて王国十二家、アレサンドロ・ヴァン・スコーピオン公爵の4女
ペトルーシュカお嬢様とお見合いする事になってしまった。
お見合いして気に入らなければ断っても良いらしいが、どうなることやら
さて、寝る前に創造神様にお供えをしよう
浮島で手に入れたミキサーとオーブンのお礼がしたくて、何をお供えしようか悩んでいたら遅くなってしまった。
それからゴレさんと無線で連絡がとれるのか確認もしたいしな
いつものように部屋の机に白い布を敷いてから、女神像を置いてその前にお供え物を並べていく
今日のお供え物は浮島でゴレさん達に貰ったマンゴーとメロンを贅沢に使ったフルーツサンド
それぞれホイップクリームとカスタードクリームの二種類ずつ用意した
今日はおまけでカツサンドも用意してある♪
せっかくふわふわの食パンが作れるようになったから、是非色んな味を楽しんで頂きたいからな
お供え物の準備が出来たのは良いんだけど、、、
俺の背中越しからお供え物を見つめる、我が家の腹ぺこ娘がひとり
「ねぇダンナ、お祈りが終わったらお供え物は食べて良い?」
「ケイトはさっきも夕食のデザートで食べただろ、まだ食べるのかよ」
「だって勿体ないじゃんかぁ、スミレも食べたいよね、、、ダンナ早くお祈りしないとスミレが寝ちゃいそうだよ」
「そうだな、スミレおいで」
「、、、うん」
「スミレは俺が抱っこするからケイトとカスミは俺の横に座ってくれ」
「あいよ~」「はい」
ケイト、カスミ、スミレの3人は創造神様のお供えに参加するのは初めてだ、創造神様の事を教えた時は驚くかと思ったんだけど
俺が神様と話せるくらいは驚く事じゃないんだとか、もう俺は生涯びっくり人間扱いから逃れられないのかもしれない、、、
それはいいけど、我が家のみんなには俺と一緒にお供えに参加していれば、創造神様から神の加護とか貰えないかなぁって思っている
神獣であるフェンリルのリリーが神の加護的な存在なのかもしれないけど、我が家のみんなを守る手段はいくらあっても困らないからな。
「あー、あー、創造神様お供えを用意しました、お受け取り下さい。」
「「あっ?!」」
今日もお供え物はうっすら光って消えていく
ケイトとカスミは初めてだから驚くのも当然だな
「こんばんは、いつもお供えありがとうございます」
「やっほぉー、浮島から帰って来たんやね、楽しかったやろ?」
「色々ありましたけど、、、結果的にはとても楽しい所でした。本日は浮島の景品がとても良い物でしたので、お礼も兼ねたお供えにしてみました」
「これカツサンドや♪甘い食べ物もええけどこういうのもウチは好きなんよ、ありがとうなー♪」
「ちーちゃん!いつも言ってるけど先に食べないでよ」
「そない言うてもこのカツサンド熱々やから早く食べんと冷めてしまうで、冷めても美味しいんがカツサンドの良いところやけど、せっかくやし熱々食べたいやん」
「もぉ!だからって話が終わるまでは待ちなさいよ、私だって早く食べたいんだから!」
カツサンドのカツは揚げたてをパンに挟んで直ぐに収納に入れたから、熱々でサクサクのままなんだけど
創造神様とちーちゃんさんは、本当に食べるのが好きなんだな
「そうそう、2番目以降の試練にも景品用意してるから近くに行った時は寄ってみたらええわ。お供えありがとうな、ほなばいばーい」
「はぁ、なんだかバタバタしてごめんなさいね」
「いえ、お気になさらず。お聞きしたいのですが、浮島に居るゴーレムと無線機で連絡はとれるでしょうか?」
「無線機、、、通信機能の事ね、う~ん、そういう機能は無いけどあとで付けておくわ
それじゃあ、私達はあなた達の事を見守っていますので、さようなら~
あっ?!
ちーちゃんフルーツサンドも先に食べないでよ、カスタードクリームのやつ全部食べたら私本気で怒るからね!」
プツン・・・
えぇーと、次はもっと沢山お供え物を用意しておこう
俺のお供えが原因で神々の喧嘩が勃発して、その余波で世界が滅んだら申し訳ないからな(汗)
「ケイト、カスミどうだった、声聞こえた?」
「なぁ~んにも、ずっとダンナがひとりで喋ってただけ。でもお供えが消えちゃったよぉ(泣)」
ケイトよ、そこまで悲しまれると俺が何も食べさせてないみたいじゃないか
「カスミはどうやった?」
「私も何も聞こえませんでした」
あらら、カスミの耳がぺしょんとしてしまった、カスミは気にしぃやから接し方には気をつけてあげんとな
今度みんなを連れて教会でお供えしてみようかな
以前に教会行った時はうっすら創造神様の姿が見えたくらいやし、声だけならケイトとカスミにも聞こえるかもしれん
それにしても創造神様は最後に『あなた達の事は見守っています』って言ってたよな
こっちの考えはお見通しって事か、これからも頑張ってお供えしますので、末永くよろしくお願い致します。
「おにいちゃん、終わった?」
「ちょうど終わったところだよ」
考え事をしてたら部屋の外で待ってたメリルとニィナが入って来た、次はお藤さんも加えてみんなで教会に行ってみようかな
創造神様もこっちが無茶を言わなければ人数が増えても気にしなさそうだしな
「ねぇケイト、女神様の声聞こえた?」
「全然ダメ~、お嬢は聞こえるんだろ?」
「何となく聞こえるだけだよ」
「ねぇダンナ、王都の教会連中にお嬢が女神様の声が聞こえるって知られたら、聖女として連れていこうとするかもしれないけどどうするの?」
「お嬢様に危害を加える連中など、私があの世に送って差し上げます。」
「ニィナさん、あの世に送る前に相手と話し合ってからにしような。普通に断ったら諦めてくれないかな?」
「ん~、どうだろ、聖女なんて噂だけで見た事無いからどんな扱いなのか知らないんだよなぁ」
「いざとなったらアストレア様になんとかして貰うから大丈夫だろ、そんな事よりスミレが寝ちゃったからみんなも寝るぞー」
「「「「はーい」」」」
「みんなおやすみ」
「「「「おやすみなさーい」」」」
はぁ
異世界小説でよくある通り、教会を管理する組織ってのは凄く面倒くさそうだ
この国がどうなのかは実際に見てないから分からんけど、保険として後ろ楯となってくれる貴族は増やしておくべきか
まずはピスケス伯爵家と同じ中立派に所属する王国十二家の
ライブラ公爵
アリエス辺境伯
タウラス子爵
この3家の当主には一度会うべきだな、アストレア様の話ではこの3家は陰で色々と助けてくれてるらしいし
直接お礼もしたかったからちょうどいいや
その前に、俺にはお見合いを無事に乗りきるっていう試練が待ってるんだけど
我が家のみんなの笑顔を守る為
お見合いでも何でも、かかって来いやー!!
つづく。
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