第190話 ただいまー♪

すぃーーーっと、おっとっと、無事着地♪



浮島からパラシュートで降りて来た俺達は、直接キャラバンシティを囲む石壁の内側


ワイン用のブドウ畑がある区画を着地点にして帰ってきた。


辺りが薄暗くなってたお陰でおそらく誰にも見られなかったと思う、さすがにパラシュートで空から降りてきたら騒ぎになるだろうからな



おっと!


のんびりしてる場合じゃない、ライトを出して後から降りて来るニィナとケイトを誘導しないと



「おーい、ここだぞー」



来た来た


風魔法で勢いを弱めて、すぃーーーっと、、、無事着地♪



「はぁ~、恐かったぁ」


「ケイトはなかなかパラシュートに慣れないな」


「ダンナァ、慣れるまでやらせる気かよぉ~(泣)」


「心配するなって、パラシュートは浮島に行く時と、緊急時しか使わないから」


「それって、また浮島に行くって事?」


「勿論だ、またゴレさんに会いたいからな♪」


「ケイト殿心配無用です、練習なら私がいくらでも付き合いますので」


「だっ、大丈夫だから!パラシュートには慣れたから、練習とか要らないから(汗)」


「ははは、練習は追々考えるとして」「ダンナ?!考えなくて良いから、本当に大丈夫だから!」


「分かった分かった、今は無事に帰って来た報告に行くのが先だからな、こんな所で遊んでる場合じゃないんだよ


みんな行くぞー♪」


「「「「「おー♪」」」」」





ーーーーーーーーーーーーーー





「女将さーん」


「「「「「「ただいまー♪」」」」」」



「あんた達無事に帰って来たかい♪今回は本当に早かったねぇ


それにしてもなんだい、たかだか1日や2日会わなかっただけで久しぶりに会ったみたいな顔をして」


「毎日女将さんの顔を見ないと、なんか調子出なくて」


「あたしは栄養剤か何かかい?(笑)」



「女将さん、今回もお土産たくさん持って来たんで食べ物は厨房に置いときますね」


「またとんでもない物を持って来たんじゃないだろうね」


「品質が良いだけで普通の果物と野菜ですよ(笑)」





「ヘレンさん、私からもお土産あるの」


「私もお土産を持って来ました」


「スミレもー♪」


「たいした物ではありませんが、私からもお土産があります」


「あれまぁ、気を使わせちまったかい、でも嬉しいねぇ♪」



「えぇー?!みんないつの間にお土産用意したんだよぉ(汗)」


「ケイト殿、ヘレンさんにはいつもお世話になっているのですから当然です。」




「むぅ、、、」


「ん?どうしたケイト」


「ダンナァ、あたしの荷物出して」


「おっおぅ、、、ほれ」


「ありがと!えぇーと、何か、、、コレだ!ヘレンさんあたしからはコレあげる~♪」


「えっ?!ちょっ、本当にコレがお土産なのかい?」



俺が厨房にお土産を置いて来る短い時間で、女将さんはすっかり歩く宝石状態になっていた


みんながお土産の、指輪、腕輪、ブローチ、ネックレスを女将さんに着けて


最後にケイトが女将さんの頭にティアラを乗せて完成♪


それぞれのお土産には立派な宝石が付いていて、金額を考えたら恐ろしい事になってそうだけど



「さすがに全部いっぺんに着けるのはどうかと思いますけど、よく似合ってますよ女将さん♪」


「まさかお土産がこんな立派な宝石の付いたアクセサリーとはねぇ、、、でもあんたのする事だから今更驚いてもしょうがないか、みんなありがとうね」



うーむ、解せぬ!


お土産はみんなが選んだ物だから俺は無関係なのだが、女将さんも喜んでくれてるからいいか



「それじゃあみんな、お土産も渡したし我が家に帰ろう、お藤さん、コニー、フラニーも心配してるだろうからな」


「「「「「はーい」」」」」





ーーーーーーーーーーーーーーー





「お藤さーん」


「「「「「「ただいまー♪」」」」」」



「あら♪みんなお帰りなさい、メリルちゃん、カスミちゃん、スミレちゃんも元気そうで良かったわ、凄く心配してたんだから!『ぎゅうぅぅぅ』」



ふふっ


我が家のお母さんに抱きしめられてるメリル、カスミ、スミレは少し戸惑ってる感じかな?


お母さんに心配されるとか経験が無いのかもしれん


それでも凄く嬉しそうだ、やっぱり家でお母さんが待っててくれるってのは良いもんだよ



「シンさんも、行動力があるのは良いけれど、あんまり心配かけないで頂戴『ぎゅうぅぅ』」


「っ?!む゛ぅ゛ぅ゛」



どうして俺の周りに居る女性は胸に顔を押し付けるのだろう?


俺も男だからそういうの嫌いじゃないけど、毎回綺麗な花畑が見える気がするからもうちょっと手加減して欲しいです。



「ふふふ、少しは反省したかしら?」


「ぷはぁっ!はぁ、はぁ、、、えぇーと、はい!」


「よろしい♪ニィナちゃん『ぎゅうぅぅ』」


「あっ、あの、おおおお藤さん(汗)」



ニィナは相変わらずお藤さんには弱いんだよな、抱きしめられて耳がふにゃっと垂れてるし(笑)



「ふふっ、ニィナちゃんも私の大事な娘よ、これからは嫌でも私に甘えさせてあげるんだから!覚悟しなさい♪」


「はい♪」



「ケイトちゃん!」


「ふぇ?」


『ぎゅうぅぅぅぅ!』


「私はあなたが1番心配よ、ケイトちゃんは平気そうな顔をして、色んな事を自分の心に無理矢理押し込んじゃいそうで


言葉なんて要らない、毎日私にあなたの飾らない顔を見せてくれるだけで良いの、それだけで私は凄く嬉しいわ


ケイトちゃん分かった?」


「ひゃい!おふじひゃんいたいれしゅ」




あらら、お藤さんがケイトの頬をむにむにして遊び始めちゃったよ、ケイトも孤児だからお母さんとの接し方なんて分からないんだろうな




「ふふふ、私は子供には遠慮しないパワフルなお母さんになるのが夢だったの♪


でもせっかくこんなにたくさん子供が出来たのに、みんな全然手がかからないからお母さん寂しいのよ


コニーちゃんとフラニーちゃんも、私の大事な子供だから遠慮しなくて良いのよ」




そういえばコニーとフラニーを放ったらかしにしてたよ、申し訳無い!



「えっと、、、お藤さんの事、マーマって呼んじゃ駄目ですか?」


「マーマ?とっても素敵な呼び方ね♪私は今日から二人のマーマよ」


「「お藤マーマァ~」」


「あらあら♪甘えん坊さん達はこうよ!」


『ぎゅうぅぅぅ』




コニーとフラニーの見た目は15~16歳くらいだから、俺は成人した大人の女性として接してたんだけど、エルフ的にはまだ子供でホームシックだったのかな?


俺の思ってる精神年齢より低かったのだとしたら、少し冷たい対応をしていたかもしれない


反省せねば





『ぐぅ~』


「お藤さん、お腹ぺこぺこなのすっかり忘れてました、ご飯が食べたいです(泣)」


「いつもなら夕食の時間だものね、じゃあ我が家の子供達の為にお母さん頑張っちゃう♪


みんなご飯作るの手伝って頂戴」


「「「「「「「「はーい♪」」」」」」」」






つづく。

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