第150話 新体制の恩恵

新たな仲間が加わり新体制となった池田屋商会



人材の確保や報酬の管理等をする、人事責任者のアル



牛の世話と乳製品を作る、乳製品部門の責任者、ライラとアリア


乳製品部門にはまだ子牛が2頭しか居らず始動出来ないので、ライラとアリアには商会の各部署を順番に手伝って貰う




そして


新たな仲間達が加わったお陰で、我が池田屋商会が新体制で動き始めた事による良い効果がさっそく出始めた



優秀だけど面倒くさい男アルによって、従業員の適性に合わせた職場の移動が行われた、これにより各職場の作業効率が上がり乳製品部門にも数人まわせるようになった


ひとまず人を増やさないでやって行けるのは助かる、商売が順調だからと勢いだけで規模を大きくして、その後景気の低迷でリストラや最悪破産するという有名企業を俺は元世界で幾つも見たからな


勢いに任せた急速な事業の拡大は破滅フラグだ!



と言いつつ、俺も流れに任せてここまで商会を大きくして来たんだけどな(笑)


でも今の従業員の数なら、万が一商会が潰れても俺の個人資産で養う事が可能だ、従業員に最後まで責任を持つのは経営者の義務だと俺は思う。



話が逸れたけど、本店の従業員にレシピを渡して研究中だったカツサンドに使うトンカツソースがついに完成した♪


少し前に一応完成はしていたけど、イマイチ味にパンチが無くて改良中のところ、アルにも手伝わせたら見事完成させてしまった



くっ!


優秀な男は何をやらせても優秀だというのか?


何気にアルはシュッとしていてイケメンだからな、優秀でイケメンなんて理由は無いけどイラッとするじゃないか、今度みんなでアルの弱点を探してやろう!



とにかくトンカツソースが完成したのは良かった♪そこは素直にアルに感謝だな


今は豚肉の部位毎に食べ比べをしてカツサンドに合う部位を検討したり、脂身は全部切り落とすのか?少し残すのか?


他にも値段の設定等々やる事が多い



優秀な男は他にも、仕事が無くて暇な冒険者を池田屋商会の専属冒険者として契約した、


そうする事で商会で使う肉を定期的に狩って来て貰い、カツサンドの安定供給を可能にし、雇用の創出も出来て一石二鳥!


しかし、仕事の無い冒険者ってのは優秀じゃないから仕事が無いわけで、そこは人数でカバーするんだとか


報酬の一部を無料食事券にする事で経費を抑えられるし、冒険者からも喜ばれたらしい


ウチの商会は食べ物が美味しい!で有名だからな、そのうち食事目当てで優秀な冒険者が集まって来るかもしれんが、今は考えないでおこう




こうやって考えると良い事ばかりだけど、仕事の効率が上がったお陰で困る事も出てきた


それは、売り物に出来ない肉や野菜の切れ端が大量に出る事だ、この問題は飲食店なら避けて通れない


当然ながら無駄には出来ないので従業員の賄い料理等に再利用するのだが、毎日大量に出る為にどうしても消費しきれず、俺の収納に保管して日々増えていく一方だったけど




考え付いたのが


『会長の試作料理』という名前で余った食材で作った料理を昼限定のランチメニューとして提供する事にした、今はまだ宿屋限定だけど好評なら露店でも売れるように考え中だ



そしてわざわざ『試作』と名付ける事により、正式なメニューでは無いという事を強調して、


『真似して自分達の所で売り出すなら今ですよ~♪』


という他の飲食店に対してのメッセージでもある、他の店のメニューを真似したりされたりなんて日常茶飯事だけど、大商会になったウチのメニューを堂々と真似るのは流石に躊躇われるらしい


これで料理を真似して材料をウチの商会から仕入れてくれれば、食材の無駄が無くなるし、他の店も儲かって皆happy♪


上手く行かなくても、ウチの商会は損しないのが最高やな(笑)






ライラとアリアが来た事による恩恵もあった


二人は山村で育っただけあって山の事に詳しく、暇があれば山に入り商会で使えそうな山菜を探して採って来てくれるのだが


なんとその中に、よもぎがあったんだ!


よもぎ餅に使うあの、よもぎがあったんだ!



大事な事なので2回言いました。




これで俺の好きな、よもぎ餅が作れる


出来立てのよもぎ餅は最高に旨いんだよ♪





はたして、よもぎ餅が草餅なのか?


草餅がよもぎ餅なのか?


そんな事はもはや些細な事だ!



俺がこの世界に転生したのも、きっとよもぎ餅をこの世界に伝える為に違いない!


よもぎ餅を初めて作った人が誰だか知らないけども、見てて下さい


この世界には俺が必ず、よもぎ餅を広めて見せーる!!






つづく。

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