第100話 おっさん新たなる決意

ふぁ~、今日は色々あってマジで疲れたよ



でも寝る前に、創造神様とちーちゃんさんにお供えしないとな


俺はいつものように部屋の机に白い布を敷き、以前スキルの「店」で購入した女神像を置く


ふと思ったが、この女神像がスキルの「店」にあったという事は創造神様に似ているのだろうか?


だとすると凄い美、、、これはあんまり考えたらあかんやつやな(汗)




ええーと、たしか創造神様が『海鮮丼』で、ちーちゃんさんは『鉄火巻』だったな、太巻き寿司とおいなりさんはおまけだ


こうなると酒はやっぱ日本酒だろう、醤油とワサビも忘れずに♪



あーあー、ご要望の海鮮丼と鉄火巻を用意しました、海老は捕れなかったのでまたの機会という事で



(やったぁー日本酒や!ありがとうな、海老は次の楽しみにしとくなぁ♪


いつもありがとうございます。


やっとよ、やっと念願の生の魚が食べれるわ!


ふーちゃん良かったなぁ♪


次も期待してるで、ほななぁ~。)




あぁ~、創造神様も色々大変なのかな、もう少しお供えの頻度を増やすべきか?



『コンコン』



ん?こんな時間に珍しいな



「開いてるよ~」


「しっ、失礼します!」


「カスミにスミレ、どうしたん?」


「あっ、あの、一緒に寝るのは駄目でしょうか?」


「駄目な事なんてなんにも無いよ、ほらこっちおいで、そりゃ」


「わっ?!」


「きゃはは♪」



おっさん気合いのカスミとスミレの同時抱っこが決まったぜ!


肉体が若返っているからか余裕だな、もし元の年齢のままだったら確実に腰をいわしてたよ


2人を抱っこしたままベッドに突入だ!


ひとりで寝るのも悪くはないけど、みんなで寝た方が楽しいからな♪



「寝る位置どうしようか、スミレを真ん中にするのがええか?」


「うん!真ん中がいい」


「じゃあカスミはスミレの隣でええか?」


「・・・はい」


「う~ん、じゃあ明日は俺が真ん中で寝るから、2人は俺のお隣さんやな♪」


「明日もご主人様といっしょ?」


「せやでぇスミレ」


「やったぁー♪」


「ごひゅじんしゃま゛ぁ゛~(泣)」


「カスミ、これからもずっと一緒なんやから、遠慮も我慢もほどほどにな」


「ズズー、はい♪」



年齢を考えると、こんなふうに一緒に寝てくれるのも、あと1年とかなんだろうなぁ、寂しいぜ


さて、寝る前に俺にはやる事がある



「おーい、ニィナさん」


「主様、何でございましょう?」



いつの間に部屋にやって来たのか、さっきからニィナが俺の背中にぴったり張り付いて一緒に寝ようとしている



「ニィナ、流石にこのベッドで4人は狭いんだが」


「問題ありません、奴隷の身分ではベッドで寝れるだけで幸せですので」


「奴隷って大変なんだな、ってそこじゃねぇよ!ニィナはひとりで寝てもいいんだぞ」


「そうですか、ひとりで寝るには大き過ぎるベッドで、私だけひとり寂しく寝ろと命令されるのであれば従いますが」


「命令なんてした事ないでしょうよ!しゃあないなぁ、もう1個ベッド出すか、よいせっと」



俺は収納からベッドを取り出す、このベッドは我が家から持って来た物だ


今回の旅に出る時に泥棒に入られても良いように、ほとんどの物を収納に入れて来たからこのまま引っ越しも可能だ(笑)



「流石は主様です!」


「はいはい、寝ますよ~、カスミ、スミレ、ニィナ、おやすみ~」


「「「おやすみなさい」」」




ーーーーーーーーーーーーーー




朝、目が覚めると警棒を握りながら眠るニィナがいる


流石にもう驚かないよ(笑)


反対側にいるカスミとスミレはまだ気持ち良さそうに寝ている



今日は何をしようかな


もうこの街でやらなきゃいけない事は終わってるから帰ってもいいんだけど


せっかく海があるんだから潮干狩りをしてみるか


この街は貝も食べる習慣は無いみたいだし、誰にも採られず大きく育ったハマグリが期待出来そうだ


そうと決まれば急がねば!


朝に潮が引いて昼に満ちて来るらしいからな、朝食も浜辺で食おう







さっそくみんなで浜辺にやって来ました♪


朝食は焼きそばにしよう


昨日タコヤーさんがイカを持って来てくれたんだ、水面を泳いでるのを頑張ってとったらしい


なんだかウネウネした物好きの変人と思われてそうだけどな



海に来たら焼きそばが無性に食べたくなるのは日本人だけだろうか?


海外のビーチって食べ物屋があるイメージ無いんだよな


それはどうでもいいとして、バーベキューコンロに鉄板を乗っけて焼きそば作りだ


具は


豚バラ、キャベツ、イカ、ちくわ


普通は入ってないけど、焼きそばにちくわを入れるのが好きなんだ♪



さて焼きそばだけど、デカい鉄板で作る時は麺と具材は別々で焼く


一緒に焼くとキャベツから水分が出てしまうからだ


だから豚バラが焼けたら残りの具材は軽く塩コショウで味付けして、サッと火を通してからソースを絡めた麺の上に乗せれば完成


ソースが鉄板で焦げる匂いが食欲をそそるんだよ、みんなも集まって来てスーハースーハーしてる(笑)



「おにいちゃん、このソース凄い良い匂いだね♪」


「それは豚カツ食べた時と同じソースなんだけど、鉄板で焦げると印象が全然変わるよな、ちなみに作り方は分からないからね」


「むぅ」



トンカツソースを売ったらバカ売れするだろうけど、メリルには申し訳ないが作り方は全く分からん



「この黒いソースは無理だけど違うのなら出来るよ」



俺はソース焼きそばの他にもう1種類焼きそばを作ってたんだ、鶏ガラスープに魚醤少々とレモンを搾った物を麺と炒めて作った、鶏ガラレモン焼きそば


元世界で食べた事がある塩ダレレモン焼きそばをイメージしたんだけど、なかなか良い出来だと思う



「ダンナァそっちのは酸っぱい匂いがするんだけど」


「そりゃあレモンが入ってるからな、腐ってないから安心してくれ」


「へぇー、、、あっ!念の為の確認だからね(汗)」


「ははは、分かってるよ、じゃあいただきます」


「「「「「いただきます」」」」」




「みんな味どうかな?」



俺は焼き肉のレモンとか、ぽん酢とか酸っぱいソースは食べ馴れてるけど、みんなはどうだろう?



「おにいちゃん、これ美味しい!酸っぱいんだけど、いつもより沢山食べれるよ♪」


「この酸味が口の中をリフレッシュしてくれて、食欲が増してる感じがします」


「この地域は気温が高いからね、身体が酸っぱい食べ物を欲してるんだよ」


「おにいちゃん、この酸っぱいソースの焼きそば安く売れないかな?」


「そうだなぁ、ソースの材料費は凄く安いけど、麺が少し高いんだよな」


「うーん、じゃあ麺無しの肉野菜炒めとして売っちゃ駄目?」


「構わないけど、わざわざ旅先で考えなくてもよくない?」


「ダーメ!おにいちゃんはほっとくと新しいこと全然やらないんだから!」


「あははは、何処に行っても、お嬢とダンナは変わんないや、あたしも手伝うから頑張ろうな♪」


「勿論、私もお手伝いいたします。」


「スミレも頑張るー♪」


「私も頑張ります!」


「みんな、頼りにしてるよ♪」





メリルに怒られるのもなんだか久しぶりだな(笑)





最初はこの世界で生きていく為に、なんとなく沢山稼ぎたいだけだった


メリルと出会って商人伝説を作る事になって


いつの間にか仲間が増えて


商会が出来て


従業員まで増えて


メリルと2人だけで気楽に商売してた時が懐かしい


人が増えると責任だとか付き合いだとか色々しんどい事も多いけど


みんなと一緒なら、それも悪くないなって思えるから不思議だよ



これからは俺とみんなの、、、


何かを目指そう!




あくまでマイペースにだけどな(笑)






つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る