第60話 豚カツとビーフカツ
俺がカスミに作って欲しいのは豚カツだ、しかも今日は豚カツとビーフカツの豪華ダブルカツ丼にしようと思っている
良い肉を使ってるから今回は煮込まずに、米の上に卵とじを乗せてさらにその上にカツを乗せるだけにして、サクサク感を楽しむスタイルだ
卵と絡めて食うも良し、カツにソースをかけて食うも良しだ!
ビーフカツは醤油とワサビで食うのもいいな♪
カツ丼で難しいのはカツの揚げ具合、出てくる泡が小さくなって音が変化したらOK、それは俺でも分かるのだが
料理人が言うにはもう少し早く音の変化があるんだとか、そこでカスミのチカラが必要になる
カスミはうさぎ耳の獣人、俺なんかの何倍も音に敏感なんだ、ならばきっと音の変化にも気付いて最高の揚げ具合のカツが出来るはず!
「さあさあ、みんなで協力して商会立ち上げの祝いの飯を作ってくれ!
メリルは土鍋で米を炊いて味噌汁の用意、スミレは土鍋に砂時計をセットして
ニィナはタマネギをめんつゆで煮て卵でとじて、ケイトは食器の用意
カスミはカツを揚げるのを頼む!みんな俺の為に頑張ってくれ」
「「「「「おー!」」」」」
ふっふっふっ
こんな時の為に業務用フライヤーを購入しといたんだ
ちなみに我が家の厨房はすべてスキルの「店」で購入したキャンプ用の大きいガスコンロだ
市販のガスボンベをセットして使うパワフルなタイプになる
この世界にはガスコンロの代わりになる魔道具があると思うんだけど、必要性を感じなくてそっち方面は全く調べて無い事に最近気付いたんだ(笑)
せっかく異世界に来たんだから魔道具は見たいよね
だがしかし、そんな事より今はカツだ!
「カスミ、カツの下ごしらえをしようか」
「はいっ!」
「まずは豚肉を1.5㎝の厚さにカットしてから脂身を切り落とす、脂身は好き嫌い別れるだろうけど今回は切り落とす、脂身との境目に数ヶ所切れ込みを入れて両面に塩コショウをして
薄力粉、卵、パン粉を付ける、牛肉も同じようにしておく
それじゃあ豚から揚げようか、170℃の油で4~5分ってところかな、音が変化するからカスミの耳なら聞こえる筈だ」
「はいっ!頑張ります!!」
「よし、投入!」
『ジュワァーーー!』
いいねぇ、たっぷりの油で揚げ物が出来るってのは家庭じゃ無理だからな、いつもは垂れ気味のカスミの耳もピンと立って音を聞いている
『パチパチ パチパチパチ パチバチ パチパチパチ パチパチ』
「あっ!」
おぉ!
どうやら音に変化があったようだ、俺も聞いてたけど全く分からんかった(笑)
「ご主人様どうでしょうか?」
「切って確かめようか『ザクッザクッザクッ』、、、おぉ!!これは予想以上に最高の揚げ具合♪
カスミ、どんどん揚げていこう」
「はいっ♪」
豚肉が完璧に揚げれると牛肉は簡単だ、中はレアでいいから高温で衣の色が変わるまで揚げればいい
カットした2種類のカツを卵とじの上に乗せれば完成だ
わははははは、思った以上に豪華♪
そして元世界でこんなの作ったらオカンに怒られるやつだな(笑)
「みんなー出来たぞー」
「ヤッホー!なんか分かんないけどスゲェ豪華だ♪」
「それじゃあ、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
まずは豚カツから食うか
『サクッ』
旨っ!
外はサクッとしてるのに中はしっとりしてて旨味がジュワッと出て来る
控え目に言って最高やな♪
次はビーフカツ
『サクッ』
うん!
外のサクサク感は同じだけどレアな赤身肉が程よい噛み応えで、ワサビと醤油が口の中をサッパリとさせていくらでも食えるやつやん♪
みんなもガツガツ食べてるし、豚カツとビーフカツは好評のようだ
そんな今日のデザートはチョコパイだ
スーパーで1箱数百円で売ってて、外側をチョコでコーティングして、中にバタークリームが入っている
ハッキリ言ってチープな味なんだけど、たまに食べたくなるんだよ
疲れた時にはこのチョコパイを食うのが好きなんだ、冷やすと中のバタークリームが固くなるのがまた良い♪
ふぅ~
とても充実した食事だった♪
旨い飯を食えば明日も頑張ろうと思えるから不思議なもんだな、そういえば誰かが言ってたっけ
飯も食べずに物事を考えるとロクな事を考えないって
けっこう当たってる気がするから、馬鹿に出来ないよな
さてと
腹も膨れたし、そろそろ寝ますか
『ピロロロロン、ピロロロロン』
むむっ!
これは毎度お馴染みの音が頭に鳴り響いた
(こんばんは、桜餅とチーズを使ったお菓子と料理のお供えを希望します、対価として回復魔法はいかがでしょう?)
おぉっ!
俺の頭に直接話しかけて来るこの声は
創造神様が普通に話しかけてきたよ!
桜餅気に入ったのかな?
これからも色々と配慮してくれるなら、お供えに対価は要らないんだけど、向こうからの提案だから断る理由も無い
チーズのお菓子はやっぱりチーズケーキだな、レアとベイクドの両方と
料理はピザにして、シンプルなマルゲリータと照焼きチキンのピザにしよう
ついでにワインもオマケしとくか、チーズにはやっぱワインが合うだろうし
俺はいつものように、部屋の机に白い布を敷き女神像を置いてその前にお供え物を並べていく
あーあー、御希望の物を用意致しました、回復魔法はありがたく頂戴致します。
いつものようにお供え物はうっすら光って消えて行った
(感謝します。ありがとうなぁ~)
あれ?
今2人いたよな?
初めて聞く声だったし、そして何故関西弁?
もしかして神様って八百万(やおよろず)の神とか言って、めちゃくちゃたくさん居るんじゃないだろうな?
不安だ、俺は今とても不安だ
不安だから寝よう!
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。