第59話 シュシュ

ミリーさん、ウェンディさん、ニィナの3人が


シャンプーや美容品等々をキャッキャしながら選ぶのに付き合わされた俺は気力を使い果たしてしまい


ニィナに支えられながら我が家を目指している



「ニィナも美容品に興味あったんだな」


「私も女の身ですので」


「じゃあさこういうのどうだ、ほら」


「これは、、、なんでございましょうか?」


「うしろ向いてみなよ、これをこうして髪の毛を通せば完成、どうだ?」


「おっ?、、、おおっ!主様凄いです♪」



俺がニィナに渡したのは髪の毛を纏める花柄のシュシュだ、鏡も渡してやるとクルクル回りながら嬉しそうに見ている


ちなみにこの世界の鏡は高価で貴族しか持ってない、なのに質が悪くて映りも良くない物だ


我が家は俺が購入した鏡をみんな普通に使っている




ニィナのこの反応を見ると食べ物を売るよりこういうの売る方が良かったか?


やっぱ男だと鏡なんて無きゃ無いでそんなに困らんし、髪の毛にもこだわりなんて無いもんなぁ


シュシュっていえば、道に丸まって落ちてるのを下着と見間違えてドキッとした事があるのは、男性あるあるじゃないかな(笑)



シュシュを売るかどうかはメリルに聞いてみてからにするか





「ただいま~」


「おにいちゃんおかえり、あれ?ニィナの髪の毛なんか変わってない?」


「それは俺があげたシュシュってやつで髪の毛を纏めてるんだよ」


「お嬢様どうでしょう似合ってますか?」


「わぁ、ニィナ凄く可愛いよ♪いいなぁいいなぁ」


「ははは、ちゃんとみんなの分もあるよ、カスミとスミレもこっちに来て好きなの選びなよ」


「おにいちゃんありがとう♪いろんな柄のがたくさんあるね、どれにしようかなぁ


あっ、スミレにはこの苺が付いたの似合うよ♪カスミにはピンクのがいいかなぁ?」



俺はシュシュの他にも、あらかじめ沢山購入しておいた、苺やサクランボの飾りが付いたヘアゴムもテーブルに並べてやる


思いのほかみんな嬉しそうだ、オシャレな小物なんてこの街には売ってないからな



「ダンナァ~、これあたしの髪じゃあ付けれないよぉ~(泣)」



ケイトはショートヘアだからシュシュやヘアゴムは使いづらい、さすがに仲間外れは可哀相だし、何かないか?


俺はスキルの「店」で(髪の毛、飾り)で検索する、おっ?これいいかも♪


「ケイトこんなのどうだ?」


「これなぁに?」


「とりあえず好きなの選べよ、付けてやるからさ」


「じゃあコレ!」


「まさかソレを選ぶとは思わんかったが、まあいいか、、、付けたぞほら鏡」


「ん~、スゲェいいじゃん!これ気に入ったよダンナありがとう♪」




俺がケイトにあげたのは飾りの付いたヘアピンだ、リボンとか蝶の飾りが付いたやつもあったのだが


ケイトが選んだのはシルバーのエレキギターが付いたヘアピンだ、ギターはこの世界には無さそうだけど、似合ってるし喜んでるからいいか



「おーいメリル~、こういうのってさ売れるかな?」


「久しぶりだねおにいちゃんが積極的なの(笑)」


「いやいや、最近色々あって忙しかっただけだから(汗)俺は前から商売には積極的だからね、それで売れるかな?」


「うん、絶対売れるよ♪でも細かい飾り細工が付いてるから値段が高くなっちゃわない?」


「そこは気にしなくていいよ、試しに売ってみるってだけだからさ


そうだ!忘れてたけど商会を立ち上げる事になったから」


「ダンナそれは最初に言うやつだろ!ついにダンナも商会長になんのかぁ~


初めて会った時からダンナはスゲェ商人だったもんな♪」


「商会って言ってもやる事は今とほぼ変わらんけどな、ピスケス伯爵家の御用商会になるから伯爵家に商品を売るぐらいか」


「ダダダダ、ダンナ?!ピスケス伯爵の御用商会って言った?それってスゲェ事だから、スゲェ事だからな!」


「ケイト御用商会ってそんなに凄いの?」


「お嬢、御用商会が凄いんじゃないよ、王国十二家が凄いんだ、その御用商会なんて半端な貴族より影響力があるんだ」



「へぇー、そんな凄い事とは知らんかったなぁ」


「ダンナはそういうのマジで気にしないよな、それがダンナの良いところなんだけどさぁ」


「はははは、そういう事だからみんなで俺を祝う飯を作ってくれ、今日の俺は疲れて飯を作る気力が無いんだ」



「ダンナの飯が食えないなんて嫌だよぉ(泣)」


「心配しなくてもメニューはもう決まってるんだ、そしてこの料理はカスミがいれば最高の物が出来る!」



「えっ?わっ、わたしですか?!」






つづく。

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